「落ちこぼれや仲間はずれ」をつくらない学級運営が学級の子ども全体の成長につながる
「落ちこぼれや仲間はずれ」をつくらない学級運営が学級の子ども全体の成長につながる。
私はいつも、クラスの中で一番勉強の遅れていると思われている子ども、クラスの仲間から、はずれそうになっている子どもに視点を置いて、学級運営を進めてきた。
学級のすべての子どもにきちんとした学力をつける。これは教師の義務である。遅れた子どもをそのままにしておくことは、教師の「落ちこぼし」である。
学級の中で、仲間からはずれそうになっている子どもがいることは、学級の中に民主主義が実現していないからである。そういう学級であれば必ず学級の中に亀裂があり、やがていじめが生まれる。
民主的な学級をつくっていくこと。これは私が若いころ作文教育の秀れた実践家であった小西健二郎の「学級革命」の本や講演で感激して、自分もそういう素晴らしい学級をつくろうと努力をしてきた。
そして、実践を続けていくなかでわかってきたことは、学級のなかで、勉強の一番できないと思われている子どもが意欲を持って頑張りだすと、学級全体の士気が上がりみんなも頑張りだします。また、その子が少しでもよい成績を取ると、学級全体の子どもたちの勉強に対する熱が高まっていくということ。
また、学級の中に民主主義の考え方が育っていくと、学級の中でお互いのよさを認め合い、学級全体が民主的なあたたかい雰囲気になっていく。そういうことを幾度か経験してきた。
まだ教師経験の浅いころ「特定の子にばかり力を入れていると、クラス全体の勉強は進まないのではないですか」と保護者に言われたことがあった。また、仲間はずれになりかけていた子の問題を学級の問題として解決をはかろうとしたが、学級懇談会で批判されたこともあった。
そんな失敗のなかで学んできたことは「問題があるとされている子や、勉強の遅れている子をよくしていくことが結局、学級の子ども全体の成長につながる」ことを、学級の子どもたちや、保護者にもわかるような学級経営をしていかなければならないということであった。
(服部仲範:1931年生まれ、元札幌市立小学校校長)
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