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叱る本質を教師が理解して、子どもから信頼されるようになる教師の叱り方とは

 人間は昔から、子どもを叱って育ててきました。子どもの将来のために叱って育てることに、今も昔も変わりありません。
 子どもが大人になったとき、集団や社会に適応しながら自己実現する力を身につけることができるように育ててきたのです。
 その方法として叱ることは必要不可欠な手段として受け継がれてきました。
 集団を乱す行いや、他人に迷惑をかける行いに、厳しく叱ってしつけてきました。
 叱るという行為は、愛情からくる、いわば本能的な行為と言うことができます。
 子どものダメな行いを、見て見ぬふりをしてやり過ごしていると、教師としての指導力が疑われることになります。
 「先生は、頼りにならない」と、子どもたちからの不満が高まることになります。
 保護者からは「その程度の指導もできないの?」と思われるでしょう。
 指導しなければならない子に、教師であるあなたがどのように対応するのか、周りの子どもはもちろんのこと、保護者も、同僚も、管理職もしっかりと見ています。
 子どもを叱ることから逃げ、子どもの不備不足を放置することが、子どもの成長にどれだけマイナスになるのか、常にそのことを考えなくてはなりません。 
 ダメなことはダメ、間違いは間違いと叱って反省を促す。
 人を教え導く教師として、自信をもって毅然とした態度で指導することのできる力量をもつ努力をしなくてはなりません。
「人から嫌われたくない」「みんなとうまくやりたい」と思う人ほど、人からの信頼を失って嫌われてしまいます。
 子どもの誤った行動を見て見ぬふりをして叱ることから逃げ出せば、子どもや保護者からの信頼を失ってしまいます。
 誠実に人と接する人、真摯に仕事に取り組む人は、周囲から信頼されます。
 どんな時でも、逃げることなく、一貫した姿勢で指導することができる教師は、
「先生の言うのだから、間違いない」「先生に叱られるのなら、納得できる」と、自然と相手を納得させていくものです。
 叱る側の教師は、子どもの言動にカチンとくるから叱ります。子どもは叱られると、自分の行動を否定的にとらえられ、落ち込んだり反発したりします。
 叱るという行為は、双方が感情を刺激し合うわけですから、指導の後で気まずくなるのが当たり前です。仕方がありません。
 子どもの成長のために、少々の気まずさを受け入れるのが教師の役割です。
「叱る指導は、気まずくなって当たり前。そうでなくては、叱りの意味がない」
 そう考えておけば、叱ることに対して、それほど臆病になることもありません。
 大切なのは、気まずいからと、教師のほうから子どもを避けたり、反抗的な子どもに高圧的になったりしないように心がけることです。
 教師が「大人」になって、積極的に子どもに関わることが必要です。
 子どものためを思って叱っているのですから、たとえ一時的に気まずくなったとしても、それほど時間を置かずに、元通りになるはずです。
 叱ることは「子どもの自律心を育てる」というねらいをしっかり見据えることによって、叱りによって子どもを育てることを、受け入れていくことができると思います。
 叱るべき内容、その時の状況、相手によって、どのような叱り方をするのか異なってきます。決まった叱りの型というものはありません。
 しかし、次のような叱りの手順は存在します。  
1 気づかせる
 授業中に集中できていないなど、子どもに罪悪感なく間違った行動をしている場合が多々あります。
 このような場合、子どもに「ここがダメだ」と教師が直接伝えてしまっては、子どもが自分の力で間違いに気づく力を身につけることができません。
 教師が目や指などで、子どもに「何かが間違っているよ」と伝えたり、「何が悪いか考えてごらん」と問いかけたりして、子ども自身が誤りに気づくように導くことが大切です。
2 納得させる
 よくない指導の一つに、教師が自分の価値観や正義感を子どもに押しつけてしまうことがあります。
 納得して叱られる姿勢を育てるためには、自分のした行為を口に出させることです。
 行いを子ども自身にふり返らせることで、納得して叱られる姿勢になることが可能になります。
3 反省させる
 叱られることに納得したら、反省することができます。
 教師が教えたり、押し付けたりするのではなく「自分の何が悪かったのか?」「反省点はどこか?」と、子ども自身に「なぜ叱られたのか?」を考えさせるようにしなくてはなりません。
 自分の行いの何が間違っていたのか、納得したうえで反省することで「同じ過ちはしないようにしよう」と、前向きな気持ちが生まれるのです。
4 改善させる
 以後、どのような行動をとらなくてはならないか、子ども自身に考えさせるようにします。
「どうすれば、間違いをせずにすんだか?」「どう責任をとるか?」「以後、どうするべきか?」と、問いかけながら考えさせるようにします。
 子どもが自分で考えた改善を行動で示したら、思いきりほめ、自信を実感させてあげましょう。
5 感謝の気持ちをもたせる
 失敗することは、子どもにとって成長の糧です。自分に不足している点は何か、今後身につけていかなければならない力は何かを、実感をもって受け入れることができるのです。
 誰かに叱ってもらわなければ、過ちに気づかず、反省することができません。
 将来「あの時、先生に叱られてよかった」と、感謝することのできる人間に育てたいものです。
(中嶋郁雄:1965年鳥取県生まれ、奈良県公立小学校校長。子どもを伸ばすためには、叱り方が大切と「叱り方&学校法律」研究会を立ち上げる。教育関係者主宰の講演会や専門誌での発表が主な活動だったが、最近では、一般向けのセミナーでの講演や、新聞や経済誌にも意見を求められるようになる)

 

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