イライラや怒りを感じた時、どのようにすれば心を落ち着かせることができるか
イライラや怒りを感じた時や、相手のことを考え、落ち込む時間があったら、自分のために、少しでもイライラしない心の整え方を考えることが大事です。
ふだんの生活で怒り、不安、焦りなどを感じた時、心身を落ち着かせる技法にはつぎのようなものがあります。
1 6秒カウントダウン
前頭葉が怒りの感情を発動するまで3~5秒かかると言います。
イラッとしたら、心の中で「6,5,4,3,2,1」と数えます。
出来事から気持ちをそらすことが目的です。
2 肩のリラックス
身体の弛緩は心理的弛緩をもたらし、怒りと緊張に効果があります。
両肩を上げ、5秒数えます。力を抜いて肩を下ろします。10秒数えます。これを3回繰り返します。
3 冷たい水を飲む、顔を洗う
冷たい水が興奮した体や心臓を落ち着かせる。
4 温かいタオルで首や顔を温める
ふわっと温かいものに包まれると、気持ちが落ち着きます。
5 タイムアウト
いったん、その場を離れて気分転換し、身体をリラックスさせ、少しでも気持ちを落ち着かせます。
6 セルフトーク
怒りの感情が起こった時、気持ちを落ち着かせる言葉を自分に言い聞かせてください。
肯定的なセルフトーク(ラッキー、おもしろい、もっとやりたい)に変えることが心を良い状態にしていきます。
例えば、試験前に「これだけ勉強したんだから、自分を信じよう」
7 思考停止
いやな出来事が起こると、そのことをずっと考えてしまいがちです。
ネガティブな考えや感情が頭の中でぐるぐるしてきたら、思いっきり心の中で「ストップ」と声をかけるのです。
偏桃体を興奮させたままにしておかず、前頭葉を使うということです。
8 一点集中
辛いことを考えていると、どんどんその辛さにとらわれてしまいます。
別の方へ気持ちを向けることで、心に余裕ができるようになります。
頭の中が怒りの感情でいっぱいだと思った時に、例えば、自分の身の回りにあるものに集中して見ます。
「このボールペンは、いつ買ったんだろうか。素材は何だろう。重さはどれくらいかな・・・・」と、どんな質問でもよいので自分に問うてみてください。
9 イメージトレーニング
自分がリラックスできる場面を考え、心身を落ち着かせる方法です。
「心地よい良いなぁ」と思う場所や出来事をイメージするもの、「とらわれ」から解放される方法です。
10 顔のリラクセーション
顔の表情は感情を生み出すと言われています。悩みや不安を抱かえていると眉間にシワがより、目がつりあがって顔の表情が険しくなります。
顔の緊張をほぐすため、顔のリラクセーションをすることで顔の表情も穏やかになります。
鏡の前でニコッとしたり、目を大きく開き、口角を上げて「あ、え、い、お、う」と大きな声で自分にニコッとしてみると表情筋が緩んできます。
11 気分転換
自分でやってみたい、楽しい「わくわくすること」を考えたり、行ったりして気分転換します。
考えるだけで「ご機嫌になること」を頭に思い浮かべてみましょう。
思いついた方法をやってみて気分転換になったものをレパートリーに加えましょう。
(佐藤恵子:東京都公立小学校・中学校スクールカウンセラーを経て、私立中学校・高校スクールカウンセラー。アンガーマネージメントジャパン代表理事)
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