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理不尽な保護者との対応で大切なのは、一人で対応せず教職員が役割分担すること、戦略的なシナリオを考えること

 理不尽な保護者の対応で大切なのは、まずは一人で対応せず教職員が役割分担することです。
 私は教師になって30数年ですが、理不尽な保護者の対応を、たった一人で対応して傷ついたり、余計に問題を大きくしたりしたケースが多々ありました。
 ある教師は「一人で対応せざるを得なかったのは、誰も助けてくれなかったからです」と言っていました。
 先輩教師が入ることで、保護者を諭してくれたら、どんなにか助かったことでしょう。
 例えば、誰かが嫌われ役を買って出て「それは、お母さんにも責任があります」と、ズバッと言ってくれたら、危機を乗り切ることもできたはずです。
 私が知っている範囲でも、誰もフォローしてくれずに孤立し、最終的には辞めざるを得なくなった若手教師が何人もいます。
 若手教師と先輩教師とのコミュニケーションが不足し「助けを求めてこない」と先輩教師は言います。
 職員室では、教師がお互いに余計なことを言って「ウザい」と思われないかと気にしています。
 若手教師もベテラン教師も一人で対処せざるを得ない状況に陥っているのです。
 他の教師が誰も助けてくれないとしたら、教師の取る手だては「申し訳ございません」と、ひたすら謝り続けることしかできません。
 それが事態の解決にならないと知っていても、そうするしか選択肢がないからです。
 複雑化した要望や要求がエスカレートする難しい問題であれば、とても担任が一人で対処できるものではありません。
 理不尽な保護者の対応は、教職員がチームで役割分担するようにします。教職員全員で役割を分かち合えば、その痛みは分散されます。
 もう一つ理不尽な保護者の対応で大切なのは、シナリオを考えておくことです。
 教師は保護者に「誠意をもって接すれば、何とかなる」と思い込んでいる節があります。
 確かに多くの場合、何とかなるのですが、何とかならないケース存在します。
 保護者の対応は、戦略を立てるべき時期にきていると思います。
 保護者の特徴や訴えを理解したうえで、シナリオを考えることが不可欠です。
 例えば、シナリオは、想定問題集を作るようなものです。
 保護者がどんなタイプで何を求めているのか分析し、事前にシナリオを考えることが不可欠です。
 そうすれば、役割分担も適切なものになるでしょう。
 過去の事例についても、どのようなやり取りがあったのか記録し、次に生かすことも求められます。
 事例の蓄積が、次の対応のヒントになることもあるでしょう。
 やはり、教職員の役割分担と戦略的なシナリオは欠かせない方策となるはずです。
(齋藤 浩:神奈川県公立小学校教師。日本国語教育学会員、保護者対応に詳しい)

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