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子どもたちにスピーチの指導をどのようにすればよいか

 子どもたちにスピーチをする方法をどのように指導すればよいのでしょうか。
 たとえば、
「おはようございます。運動会が近づいてきましたね」
「みなさんも、がんばっていますね」
「ところで、私のとなりでダンスを踊る○○くん、聞いてみたいことがあるのですが~」
 このようなスピーチの出だしを、私はほめます。
 その理由は「1対1の対話になっている」からです。
 一方的な「演説型」ではなく、「対話型」のスピーチになっているからです。
 子どものスピーチの多くは、聞き手を考えない「演説型」になってしまいます。
 聞き手が多くなればなるほど「演説型」になってしまうのです。
 このようなスピーチでは、聞き手は自分に話しかけられていると感じません。
 そこで、この例のようなスピーチを取り上げてほめ、聞き手の関心をひきつける方法を指導するのです。
 具体的には、
1 あいさつ言葉から始める
2 身近な共通の話題を取り上げる
3「~ね」「~よ」という話し言葉を使う
4「○○くん」と問いかけ(対話)を入れる
 といった方法です。
 このようなスピーチができるようになると、
1 話し手は落ち着いてスピーチができる
  たくさんの聞き手の視線を感じなくてすみますから、安心できるのです。
2 話し手の自分らしさが出てくる
  ふだんの話し言葉に近づいてきるので、自分だけのあたたかいスピーチになります。
3.話し手と聞き手の双方向のコミュニケーションが成立するコミュニケーションの基本である「1対1」の対話が成立しますから、お互いが相手の立場や気持ちを考えあうようになります。
 というメリットが生まれます。
 もちろん、自然なジェスチュアや表情、声の変化なども出てきますから、聞き手への説得力も大きいものになります。
 次に、子どもたちのスピーチするときの「視線」の指導を考えてみます。
「みんなの方を見て話しましょう」「聞き手の目を見て話しましょう」などと、子ども達に指導している場面によく出会います。
 子どものひとりよがりなスピーチを、指導者はなくしたいのでしょう。
 しかし、これだけの指導では、うまくいきません。
 子どもたちは、聞き手を見ているようで見ていない、漂ってしまっているような目つきになってしまうからです。「フローティングアイ」という状態になるのです。
 私たちは、1度にたくさんの聞き手の目をみることはできません。「一人」しか見ることはできないのです。このことは意識して実際に話してみるとすぐに分かります。
 その上、「一人」の目を見て、「目が合った」と感じるまで数秒かかるのです。(教室で確かめてください)
 では、どのようにすればいいのでしょう。
 それは、「1文ごとに一人の目を見る」というようにさせるのです。
 たとえば、「今日のお話は、運動会のことです。」「徒競走で1番になりました。」というように書き言葉でいうと「  。」がくるまでの1文の間は、決してひとりの人から目をそらさないようにさせるのです。
 スピーチの時は、視線が一人にある時間が短くなりがちです。
 それだけに、「1文ごとに一人の目を見る」という技術は大切です。
 この技術によって、
1 話し手の伝えようという意識が強くなる。
2 落ち着いて話している印象を聞き手に与えることができる。
3 双方向のコミュニケーションが生まれてくる。
 という効果があります。
(菊池省三:1959年生まれ 福岡県北九州市公立小学校教師、2015年に退職。コミュニケーション教育を長年実践した。「プロフェッショナル-仕事の流儀(NHK)」などに出演、「 菊池道場」(主宰)を中心に全国で講演活動をしている。 北九州市すぐれた教育実践教員表彰、福岡県市民教育賞受賞)

 

 

 

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