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偏差値60以上の子と50以下の子の学習習慣の違いとは

 勉強の得意な状態は「面白い」→「好き」→「得意」というステップをたどります。
 私は河合塾で進路指導に携わってまいりました。
 多くの生徒に接してきた経験から、偏差値60以上の子と50以下の子の学習習慣に、次のような特徴的な違いを感じずにいられませんでした。
1 暗記
 出会いの繰り返しが、記憶になります。とにかく「出会い」の数を増やすこと。
(1)偏差値60以上の子
 インプットの際には「脳」と「ノート」に「自分が納得した跡を残し」つつ、精神的には「また出題されるだろうな」など、ゆとりを持つ。
 ただ暗記することが目的ではなく「何回も、覚えたいことに出会える機会を用意する」
「暗記カード」は「短文・穴埋め方式」「逆引き」になっていたりする。
「暗記カード」のネタは教科書、模擬試験、辞書だったりと、特別なネタではない。
(2)偏差値50以下の子 
「一発で覚えよう」とし、「覚えられない」ときは、そこで思考が止まります。
「暗記カード」は「1対1」対応になっている。
2 たとえ話・比喩
 先生は説明する際に、よく比喩を用います。比喩表現に触れ、理解する機会を意識的に設けましょう。
 たとえ話・比喩を理解できる力は「要点を聞いて、物事の全体像を理解する能力に比例している」ように思えます。
(1)偏差値60以上の子
 たとえ話・比喩が理解できる。
 「1を聞いて10を理解する」ことができます。
(2)偏差値50以下の子 
 たとえ話・比喩が理解できない。
 10を聞いて1しか理解できない。
3 質問力
 質問力と学力は関係あると私は考えています。まず「質問の質」を上げる。
 小さな理解を積み重ねて、試験の出題者の意図するところに考えが及ぶまで、少しずつ達成感を得られる機会を優先し、その積み重ねが質問の質を上げ、学力向上につながるのです。
(1)偏差値60以上の子
「自分から自分に質問」しています。
 その結果として発生した「問題点」の視点が間違っていないか、今後どういう方向性で考えていくかを確認したくて質問します。
 入試問題の場合、「その入試問題の作成意図と求めるもの」理解している。
(2)偏差値50以下の子 
「わからない」「知らない」が一体となって「すがる思い」で質問してくる。
 放っておくと質問しない。
 入試問題の出題者の意図には、到底考えも及ばない状態です。
4 英語
 英語を例にした勉強の基本(1から順番に)
「五感を使って、自分の頭で覚えれば」必ず脳のどこかに引っかかる
1 英文は「使う形」で飲み込み、忘れることを前提にする
2 忘れたときには「自分の言葉」で書かれたノートを見る
3 また忘れたときには、ノートを見て、書いて、紙の辞書を引く
4 センテンスで使える自分に気づく
5 英語は5つしか文型がないことに改めて気づく
6 初めて見る単語も怖くないことに気づく
7 五感で覚えることのメリットに気づく
(1)偏差値60以上の子
 英語が好き、少なくとも英語に触れることが「苦手でない」生徒です。
 英語は入試だけにとどまらない汎用科目。
(2)偏差値50以下の子 
 英語は単語・熟語・文法の暗記。
6 国語
 どの教科にも通じる「物事を理解する道具」としての言語量が、少ない生徒が多い。
 国語では、思考するための道具としての言語量が大切です。
(1)偏差値60以上の子
 国語はベースになる知識をもとに情報を正しく読む。
(2)偏差値50以下の子 
 国語はフィーリング。
7 数学
 数学の初歩は大切である。数学の初歩は入試に出ないが入試問題を解くには必要なこと。基礎は、実際に入試に出るが、入試に出たら9割の受験生が正解すること。
 例えば「解の公式」は入試には出ないが、「解の公式」を知らず、公式に数値を入れて何百回解いても「数学力」はつかない。
 数学が苦手でも、入試問題を見渡して「抜けている初歩」を固めましょう。
(1)偏差値60以上の子
 数学は「運用と訓練」をもとに応用がある。
(2)偏差値50以下の子 
 基礎が大切と思うあまり初歩をおろそかにし、数学の全体像を見ようとしない。
 数学はひらめきと思考力。
8 地歴・公民
 「なぜ、どうして」を考え抜こう。
(1)偏差値60以上の子
 「なぜ、どうして」を思考し、考え抜くことで理解する。
(2)偏差値50以下の子 
 とことん「暗記」に決まっていると、教科書の重要部分の暗記に終始してしまう。
9 理科
 理科は日本語の読解力が求められます。「設問が何を言っているのかわかる」ことができて「説明」が求められる問題が多々あります。
 公式・定理も重要だが、問題文を読めるように。
 理科は科目の中の分野ごとの出来・不出来が大きいケースが多い。
 好き・得意分野をきっかけに「解ける喜び」を実感して得意になるようにしましょう。
(1)偏差値60以上の子
 理科は分野ごとのポイントを押さえて科目の全体像を知る。
(2)偏差値50以下の子 
 理科は定理や公式、計算が面倒。
(齊藤淳一:1963年生まれ、河合塾20年以上のキャリアがあり、河合塾進学アドヴァイザー)

 

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