私が学級づくりで大切にしてきたこととは
私は退職するまでの36年間、理科の教師として中学校に勤務した。
支えになったのは多くの仲間の皆さんの存在があると痛感している。
また、教育研究会やサークルで学んだ全国のすぐれた実践が、私の活動の糧となった。
私が学級づくりで大切にしてきたことは、次の三つです。
この視点を見失うことがなければ、大きく道を外れてしまうことはないと考えている。
(1)教育にとって何よりも大切なことは信頼
子どもと教師、保護者と教師、教師と教師などの間に信頼があってこそ、教育は成り立つものであると。
(2)怒らないで指導する
「子どもたちを怒らないで指導してはどうですか」と、教師に話すと、「そんなの無理」とすぐに返事が返ってくる。
確かに「怒らんとこ」と心にきめて授業に臨むが、「怒らなければならないこと」が必ず出てくる。
むしろ、毎日の学校生活の中では、「怒らなあかんことばかり」なのが現実である。
しかし、少し視点を変えてみたい。
私の場合、「絶対に怒らないで指導をする」と自分の心の中で決心していると、「それでは、どうすればよいか」と間をあけて考えることができるようになってきたのである。
冷静になって対処できる余裕が生まれてきた。
「感情にまかせて怒らない」ことである。
よくよく考えてみると「怒らなくてもよかったけどなあ」と後悔することがいっぱいある。
怒って指導すると、子どもは必ず反発する。
また、子どもは同じことをする。口で言っても聞かない、また怒る。
このくり返しになると、子どもたちとの関係は、うまく行かなくなる。
しかし、「いじめ」や「命にかかわること」については例外である。
そのときは、子どもとつながりをつくるチャンスと考えることにすればどうだろうか。
(3)子どもたちとあそぶ
子どもたちとの信頼関係を築くためには「あそぶ」ことをすすめたい。
帰りの会や学活において、簡単にできるゲームや集団あそびを取りいれたい。
学級で行うゲームには「ジャンケンゲーム」をすぐに思いつくが、何といっても「鬼ごっこ」が一番のように思う。
そのほか「たこ揚げ」「水ロケット」「熱気球」「空気砲」「模型飛行機」など、あげればきりがない。
あそびのネタを自分の引き出しに用意しておくことをすすめたい。
学校行事でも、ただ計画されているから実施するのではなく、常に自分なりの工夫を加えていきたい。
それには教師が「あそび心」をもち続けることである。
(金子光夫:1947年高知県生まれ、元大阪府公立中学校教師)
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