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授業に無関心な子どもを、どのようにすれば引きつけることができるか

 プロ教師の第一条件は、授業で子どもを引きつける力を持つことです。
 そのためには、一人ひとりの子どもをよく捉え、一人ひとりに寄り添うことが重要です。
 そして、職場で先輩や同僚教師を大事にし、思いやりや優しさ、強さなど、教師に人間的魅力がなくては、子どもを引きつける授業はできません。
 人としての魅力は一生をかけて身につけ、磨いていくものです。
 授業に関心のない子どもがいると「子どもに問題があるのでは?」と思ってしまいがちです。
 しかし「子どもが興味を持てるような、楽しい授業をしてきたか」と、省みる必要があるのではないでしょうか。
 つまらない授業を受け続けると、子どもは苦痛でしかありません。
「何とかしよう」と、あの手この手で取り組んでみて、何年かの経験を経て、結論は「授業で勝負すること」という結論を得ました。
 子どもを引きつける授業をするには、どんな方法があるのでしょうか。
1 指示や声かけの工夫
(1)どの子どもにもできる作業を指示する
 授業の冒頭で、立ったり座ったり、手拍子をさせたり、ジェスチャーをさせたりするとよいです。
(2)「全員起立。〇〇できた人から座りなさい」
 大変効果がある指示です。子どもが集中するうえに、子どもたちの進度が目で見てよくわかります。
 また、体を動かすことで脳も活性化するので、眠気を覚ます効果も期待できます。 
 どうしてもできない子がいれば、そっと肩に触れて小声で「座っていいよ」と促し、後ほど個別に指導するといいと思います。
2 資料や教具の工夫
 指示資料としては、写真より模型、模型より実物に多く触れさせたいものです。
 写真も見せ方一つで子ども反応は全く違います。わざと一部を隠したり、拡大したりして見せるだけで、子どもたちの知的好奇心は呼び起こされるものです。
3 活動内容の工夫
(1)授業の前半にできだけ多くの子どもに発言させる
 カラオケで一度歌うと、また歌いたくなるのと同じで、授業でも一度発言すると授業への参加意欲が高まります。
 授業の始めは比較的簡単な問題で、授業への関心が低い子どもにも発言させたいものです。
(2)子どもを乗せるには、やっぱりゲームやクイズ
 今の子どもは、テレビやゲーム世代です。興味・関心を高める手段としては、ゲームやクイズがとても有効です。
 子ども一人ひとりを学びの主体にするポイントは、
1 授業の組み立て方
 子どもが集中し続けることは難しい。そこで15分程度を区切りとした活動をするとよい。
 一方的に教師の話を聞くだけでなく、作業をしたり、グループで話し合ったりと、子どもたちが主体となる活動を中心に組み立てていくと集中しやすくなります。
 子どもの立場からみて、楽しい活動や面白い活動を意識して取り上げることです。
2 指示や発問の仕方
「短く」「具体的に」「分かりやすく」が基本です。
3 人の話を聞くときのルールを決める
(1)話しているときは、必ずやっていることをやめる。
(2)口を挟まない。
(3)質問は最後にする。
4 教材・教具
 言葉で説明するだけでなく、写真や絵など視覚的な教材を用いて子ども興味を引きつけます。
(川原田友之:1952年福島県生まれ、千葉県公立小学校教師、教育委員会指導主事、課長。退職後は東京都教育研究所主任研究員)

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