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教材研究と発問づくりの方法がよくわからない、どのようにすればよいのでしょうか

 授業は発問によってつくられます。発問の良否は、授業の良否を決めるといってもよい。
 発問は、問いのかたちをとって、学力形成のために、子どもたちを指導する教育技術である。
 発問づくりには、次のような段階があります。国語科の読み取りに関する発問を例とします。
1 正解を具体的に把握する
(1)教材研究(素材研究・教材研究)をする
 正解を具体的に把握するために、授業前に教材研究をします。この教材研究があやふやである場合が非常に多い。
 作品と出会った感想を自分の言葉で書き出しましょう。教師面をしたまま作品と向き合っていると意味を見つけることができなくなりがちです。
 読み取りには、登場人物の相関関係や、状況の因果関係を、頭で理解することが大切です。
 そして、関係性に基づいて、人物の行動や表情、情景などがどのように展開しているかイメージが描け、心理や感情を読みとる必要があります。
 素材研究では、この関係を読みとらせるべきだ、このようなイメージを描くべきだ、このような感情が適切だというように分析していきます。
 十分に素材研究をすると「この作品の魅力はここだ、ここはこう解釈すべきだ、ここはこう味わうべきだ」という読みの理想が生まれます。
 教師は作品を豊かに読み取れる力を備えていなければなりません。そのために素材研究を徹底的におこなわなくてはならないのです。
 念のために関連文献を読んで、自分の不足や不十分な点をたしかめます。いまは、インターネットによってさまざまな情報を集めることができます。
 作品やその背景にあるものを、深く理解することです。すると「自分なりの授業を展開したい」という意欲が出てくるはずです。
 そのとき生まれてくる発問こそが、借り物でない本物の授業を可能にするのです。
(2)指導法研究
 発問に対する子どもたちの反応はさまざまです。
「どんな発問をすればいいか」とハウツー的な研究しかしていないと、思いがけない反応をされると、教師はしどろもどろになります。自分の実力がついてないと、浅薄な授業しかできなくなるのです。
 教師がどんな「受け」をするかが、授業の良否を決めます。
2 正解から見て、子どもの不足を予想する
 教師が教材研究をしっかりおこなうと「子どもには、ここの論旨がわからないだろう」「ここで誤解するのではないか」と、予測できるようになります。
 どこを指導すべきかが判断できたら、何をどう問うべきかということも明らかになります。
 指導事項を精選し、発問の内容を決めていくのです。
3 それを診断する発問をつくる
 発問は「これを理解させるには、このことを問わざるを得ない」ということで生まれます。
 発問するときは、その問いが学力形成においてどんな面を保障するのかを明確にしておかなくてはなりません。
 発問により、
(1)新しい視野と気づきをもたらす
(2)間違いに気づかせる
(3)表面的な解釈に、ゆさぶりをかける
(4)知らなかったことを知る喜びをもたらす
(5)いくつかの答を比較させ、気づかせる
(6)学んだことを生活に役立たせる
(野口芳宏:1936年生まれ、元千葉県公立小学校校長、植草学園大学名誉教授。千葉県教育委員会委員長職務代理者、日本教育技術学会理事・名誉会長、授業道場野口塾等主宰)

 

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