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学級が荒れないように予防したり、学級が荒れたとき、どのようにすればよいでしょうか

 学級が荒れないように予防したり、学級が荒れたとき、次のようにすればよいと思います。
 新しいクラスを持った最初の一週間は、担任と子どもたちとのお見合いの時期といえます。
 子どもたちは、この担任は合格か、ダメか判断するのです。
 また、どこまでこの担任は許してくれるのか、この担任は何を大切にしているのかを子どもが試すのです。
 この一週間で、「楽しい担任なんだよ」ということを子どもたちにメッセージしていくようにします。
 担任に「遊び心」があるか試されていると思うんです。
 ゲームをしたり、ボケてみたり、突っ込む楽しさとか、教師に遊び心があると、子どもたちとの距離感を縮めてくれるのです。
 クラスが荒れる要因のひとつは、子どもたちに「指示する言葉が多すぎる」ことです。
 子どもに、できないことがあると、担任が繰り返し注意して、言葉で子どもを支配しようとするため、言葉が多くなるのです。
 管理的な担任に対して、子どもたちは黙って従いながら、反抗の時期をうかがっています。
 子どもたちが反抗したとき、怖がり、担任が一歩引いてしまうと、子どもたちは勝ったと判断し、甘えと反抗を担任にぶっつけてくるようになります。
 担任が子どもを抑えられなければ学級は「正義を失う」わけです。
 そうなれば、子どもたちは互いに注意しなくなるし、荒れる子どもは自分を客観視できないので勝手なふるまいを続けていくことになります。
 教師の目は荒れている子どもだけに向いてしまいがちですが、学級に正義を取り戻すには、荒れの外側にいて「黙っている子どもたちをどう援助していくか」ということが大事です。
 荒れの外側にいる子どもたちが声をあげられないと学級に正義を取り戻せません。
 そのために、これまで、ありとあらゆる援助を試みましたが、良かったのは「いやし隊」(学級内クラブ)でした。
 たとえば、ケンカで殴られた子をそっと気づかってあげるのが「いやし隊」です。それが学級の世論のようになっていった。それでケンカの再現タイムをやったら、この子たちが証言したのです。
 ケンカをめぐって話し合いをするとき、事前に班会議を開くようにします。班だと小さい集団なので安心してものが言えます。こんな言い方をするとわかってもらえそう、という練習にもなります。
 担任と子どもとの関係がこわれてしまっているとき、関係を取り戻す決めては「ほめ続ける」ことです。ほめることは、見捨てないよ、大事にするよというメッセージです。
 学級活動をたくさんつくり出し、「ほめる材料をつくる」ようにします。いろんなケースを想定して「様々なほめ言葉を用意」しておきます。
 もうひとつは「子どもと遊ぶ」ことです。
 遊べば、ほめることがいっぱいできます。担任は「楽しい遊び」をやるようにします。そう思ってやらないと明日、学校に行く元気がでなくなります。
 トラブルには必ず「わけ」があって、悪いことをして、みんなにわかってもらいたいことがあるということなんです。その「わけ」をわかってあげないとトラブルは繰り返します。
 子どもって、学校と家では同じでないことが多い。
 家でいい子が学校に来ると「うっせいな」とバランスをとっていることがある。大変な子どもほど、激しい言葉の裏に寂しさが隠れている。そういう言葉に出会えたときに、「彼らとの出会い直し」ができるのです。
 実際、たとえば「おめえなんか、死んじまえ!」と、私を蹴飛ばしながら叫ばれたことがあります。
 その「おめえ」って私じゃないんですよね。背景に何かがあって、それに向かって叫んでいる。そう思うと気が楽になるし、「わけ」がわかるまで、まあ、何を言われてもいいかと。
 トラブルを起こす子どもに対しては、「早めに援助」しながら、「作業を成功」させて、「ほめる電話」を家庭に入れると、子どもと保護者のつながりができます。
 子どもたちから投げつけられる暴言・悪罵に苦しんで心身を病み、そのため、途中退職を余儀なくされる担任もいます。
 子どもの「暴言の返し方もいくつか用意」しておかなくてはなりません。
 「くそばばあ」と言われたら、「誰に口きいているの」と言わず、「よかった、くそじじいじゃなくて」とか、そんな言葉では傷つかないよ、というメッセージを送るようにします。
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斎藤 修:千葉県公立小学校教師、篠崎純子:神奈川県公立小学校教師 ともに全国生活指導研究協議会常任委員)

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