私はすぐに怒りがちです、叱ることについて悩み、他の教師に相談した、もらったアドバイスとは?
小学校教師の私はとにかくすぐ怒ります。他のクラスの子や教師が見ていてもびっくりするくらいだそうです。
私は叱ることについて悩み、中 一夫さんにメールで相談してみました。その時のメールの内容は次のようでした。
1 基本的には「人は信頼する人の言葉しか聞かない」ってことじゃないかと思う。
嫌いな人の話なんか、いくら正しくたってぜんぜん従おうと思わないでしょ。
ましてや、きつく言われたりしたら、メチャメチャ腹が立つし。納得できなかったら、さんざん愚痴ったりする。
信頼する人、あこがれるような人から言われたら、かなりきつい言葉でも、素直に聞く。
信頼している人は、自分のことを好意的に取ってくれての上での一言だと思えるから、素直に聴けるんだ。
2 私は「叱るべきときに叱れないと、信頼されない」と思っています。
頭に来たようなときには、きつく叱ればいいんだ。
3 感情的に叱るのも「頭にきてる、許せない」って、怒っているってことを示しているわけだから、子どもにとっても大事な教育だと思う。
4 だめなときは、きちっと駄目だしする先生って、子どもたちは評価してくれていると思っている。
5 怒らないで、子どもに寄りそう感じで接するのは、子どもにしたら、すごく押しつけ的に感じるときがある。
やさしいのに嫌われる先生は、そういうことが原因になっていると思う。
6 子どもから見て、分かりやすい先生の方がいい。
怒る時は怒るし、優しい時は優しい。教師が自分の正直な気持ちで接しているって伝わったら、そんなに反発されない。
7 教師には変えることのできない個性があると思うから、自分がらくなようにやるといい。
このメールを読んで、確かに、子どもが「この人は信頼できる」と思えるかどうかで、話を聞いてもらえるかどうかが決まるということはありそうです。
そして、子どもたちに信頼してもらう、いい関係を築く方法の一つとして、子どもたちとたのしい時間を共有することが頭に浮かびました。
授業が楽しいということは、教師を信頼する理由の一つになるかもしれません。
以前、担任した子どもたちとも「一緒にたのしい時間をすごせた」という部分でつながっているからこそ、今でも会うたびに「何の授業してる?」と聞いてくるのかもしれません。
私はクラスの子どもたちに「先生の叱り方についてどう思うか」ということをアンケートにして聞いてみました。
結果、よく叱られていた一部の男子は、叱り方が怖いと書いていましたが、8割以上の子どもたちは「特に何とも思わない」と書いていました。
信頼関係という言葉だけにとらわれすぎずに「長い人生の中で、こんな年もあるんだな」と、自分にラクになるように考えていくことも大切かなと、今は思っています。
私が叱るときに気をつけていることは、
1 自分の中で「これだけは許せない」ということに関して叱る
「自分がされたら嫌なこと」「危ないこと」という基準を設けて叱るようにしています。
2 叱るときは短く
短く叱った後、すぐに叱られた子どもたちのフォローを入れています。
たとえば、フツーに話す、「さっきは怒り過ぎちゃったね。言い過ぎてごめんね」とかいう感じです。
3 私はこういう理由でしかっている、ということを相手に伝える
その子の人格を否定しているのではなく、その子の行動について叱っているのだということを意識して伝えています。
叱ることを後ろ向きに考えず、叱る自分を受け入れつつ、自分と子どもの気持ちを大事にしていこうと思っています。
(中村 文:福岡県・小学校教師、中 一夫:東京・中学校教師)
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