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親から多いクレームとその対応方法

 サービス社会になって親が学校にサービスを求めるようになった。とうぜん親からのクレームも多くなっている。教育雑誌()には親のクレームについてつぎのような記載があった。
 教師の学習指導力の不足を心配するクレームは多い。中学受験ブームが定着してからは、小学校低学年の親からも学習指導力不足を指摘するクレームが舞い込むという。
 例えば「子どもの算数の成績が急に落ちました。学年が変わって、指導力のない先生に習っているような気がしてなりません。手遅れにならないうちに担任を代えていただきたいです」といったクレームがある。
 クレームは、基本的に親が不安だからいってくることが多いのです。
 親とのコミュニケーションが不足すると、クレームは増えます。ですから、このような不満に対しては、親にきちんと説明責任を果たすのが理想です。
 日頃から学習指導の方針について親へ説明していれば、極端に子どもの成績が落ちないかぎり、大きなクレームはないと思います。
 また、学級通信や親と教師の間の連絡帳でこまめに情報を伝えていくなどの方法も有効です。
 クレームの内容でもっとも目立つのは、教師の生活指導力の不足についての批判である。
 学級運営を円滑に進めていく「生活指導力」が不充分だと、学級崩壊などにつながるので、最近は保護者のほうも敏感になっているようだ。
 年齢が若く、経験の少ない教師の場合は、実際に生活指導力が不足なことも多い。教師になったばかりでは、荒れ気味の子どもたちに対してリーダーシップをとることなどむずかしい。
 相性が合わなかったり、いつも自分が注目されてチヤホヤされていないと満足できない子どももいます。
 そういった子どもには教師はきちんと指導して、ときにはきちんと叱るなどしないといけないのですが、子どものほうは教師への不満が募り、家で親に訴えます。自分の都合のいいように親に伝えて、それを親がうのみにしてしまうケースはやっかいですね。
 このような親子は、繰り返し、それも些細なことでクレームをくり返すことが多いので、教師同士で情報交換して、必要なら教頭や校長などに出てきてもらって、親をなだめて、帰ってもらうようにしています。
 担任相手には、いきまく親でも、教頭や校長など偉い立場の肩書きに弱い親って、けっこう多いんです。校長に文句を言ったということで、それで満足してしまう親もいますしね。
 親からのクレームでいちばん多いのは、担任の頭越しに校長へいきなり連絡がいくものです。
 クレーム内容は担任への不満が多いという。担任に対して直に言うことができないので校長に伝えてしまうというわけです。
 また、なかには担任への嫌がらせとしか思えないクレームもある。
 ふだん担任には笑顔で接していて、いきなり校長の元にきつい抗議をするのです。暗に担任の能力不足を訴えるという心理的な打撃を狙ったものもあります。
 保護者同士でそういう話をしていたりしますから。昔、教師に冷たく扱われるなどして、教師に対して恨みやコンプレックスを持っている親に多いです。
 とくに若い教師にはマジメで繊細な人が多いので、ショックは大きいかもしれませんね。
 このようなクレームは受けたくないからと、自分はなんのクレームも受けていないのに、すごく保護者の動静にビクビクしている教師もいます。
(
)「ザ・小学校教師 別冊宝島」宝島社 2007

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