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他の教師から悩み相談を受けた場合、アドバイスするときに気をつけることとは

 他の教師から、悩み相談を受けた場合に気を付けておいた方がいいことは、
1 話をじっくりと聞く
 まずは「その人の話を興味を持ってじっくりと聞く」ことが一番必要なことです。
 話をよく聞かないと、困っていることの内容も、本人のつらさもイメージできなくて、何が問題となっているのかわかりません。
 話をよく聞かないと、共感もできないから、アドバイスのしようがないと思うのです。
 じっくりと聴いているだけで、相手は「自分の苦しさを分かってもらえたみたい」と、ずいぶん落ち着くこともあるようです。
 だから、いいアドバイスをすることが答えじゃなくて、一生懸命に聞いて、共感できたりすれば、それが一番いい形の援助になるんじゃないかと思うのです。
 聞いているうちに「わかる、わかる。あるある、私にも」と、一緒になってグチを出しあう感じになることもあります。
 そうなったら、もうアドバイスなんか必要ないかもしれません。
 相手が自然に答えをだしていることだってあります。
2 アドバイスには危険性もある
 悩んでいる人にとっては、誰もが思いつくようなアドバイスは、本人はそれができないから悩んでいて、追いつめられ、苦しんでいるのです。
 いくら一生懸命「こうすればいいのよ」とアドバイスをしても「アドバイスされたことが実行できない」ということで、自分を追い込んでしまうことも少なくありません。
 だから「この人の気持ちが少しでもラクになればいい」という配慮が必要です。
「ラクになり、元気にさえなれば、自分で解決法も思いつくし、対処もできるだろう」と思うのです。
 私は、相手のできていないところや、欠点などを指摘してみても、まずは元気になれないと思っています。
 それより「そういう悩みを抱くのは、あなただけではない」と、いうことを伝えたいものです。
 自分で自分を責めて苦しんでいるところを、少しでも減らしてもらえたらと思います。それが何よりの力になると思うからです。
3 アドバイスは具体的に
 教師の悩みは、ほとんど「明日からどうすればいいのか?」という切羽詰まったものがほとんどです。
 たとえば「クラスの子とうまくいかない。管理職からは厳しく指導しろと言われるけど、本当にそうなのか?」などといった、ものばかりです。
 こういう悩み相談には、良い結果が出るようなアドバイスでなくてはなりません。結果が求められるのです。
 適切な対処の方法を選んでいくには、学校で起きるさまざまなことを実験結果として見ていく視点が必要です。
「そのやり方で効果があったかどうか」を意識して見ていれば、有効性もおおまかに判断できます。
 そういう風にまわりのやり方を見ていて「ああやると失敗するんだ」と学ぶこともたくさんあります。
 サークルで悩み相談がでると、私自身も「自分もそれが聞きたかったんだ、ラッキー」などと、いろんなことを学んできました。
(中 一夫:1960年鳥取生まれ、東京都公立中学校教師。仮説実験授業研究会会員)

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