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多くの人との出会いがあって今の自分がある、先達に学ぶということは教師の世界でも大切だ

 私は、教師になってから多くの人との出会いがあった。
 同僚や地域の先生方、授業づくりネットワークの先生方、個人的に師事した先生方、大学の先生方、教育に関わる企業や出版社の皆さん等。
 多くの出会いがあって、今の自分があるのだと思う。感謝してもしきれないほどだ。
 その中でも特に影響を与えてくださった、有田和正氏との出会いを紹介したい。
 先達に学ぶということは、教師の世界でも大切である。
 有田和正氏は、私にとっては、授業について目を開かせてくださった方である。
 私が教師になって2年目、車で3時間以上かけて、有田和正氏の講演を聞きにいった。
 子どもを見る目の大切さ、子どもの意欲をどう育てるかについて、ユーモアたっぷりに熱弁をふるってくださった。
「自分も何かをしたい」という気持ちにさせられるような、すばらしい話しだった。
 教師になって3年目。有田和正氏の多くの著書を読んでいくうちに「やはり氏の授業を見なければならない。氏が鍛えた子どもたちを見なければならない」という思いを強くもった。
 当時、氏は筑波大学附属小学校勤務である。定期的に公開研究会を開いていた。
 私は校長に「しっかり学んできたい。ぜひ有田学級を参観させてください」と頭を下げた。
 校長は「目標を持つのはいいことだ。たくさん学んで来なさい」と言われた。
 全国的に有名な氏は、参観者が数百人にのぼるので、学校では授業はできず、近くの全林野会館で行われた。
 授業は9時半からであるが、7時に会場に行った。それでも私よりも早く来ている人が20人ほどいた。
 授業が始まってからは、子どもたちの熱気あふれる発表ぶりに圧倒されっぱなしであった。
 3年生の社会科。教師が問いを発するたびに、次々と自説を主張する。「教師に対しても論争を挑んでいる」そんな感じに映った。
「どうしたら、あれほど表現力のある子どもたちが育つのだろう」
「どうしたら、あれほど調べてくる子どもたちが育つのだろう」
 と、不思議に思うと同時に「鍛えられた有田学級の子どもたち」が理想の学級となった。
 すこしでも有田学級に近づきたいという目標ができた。
 それから、授業で有田氏を追うことを始めた。
 改めて今まで購入していた氏の本を見直し、授業した通りに資料を使い、同じ発問をする。
 本に書かれている通り、そのまま追試したのである。以前よりは活発な話し合い活動になる。
 さらに、問いもオリジナルのものを加え、少しずつではあるが、社会科では楽しい授業ができるようになってきた。
 自分がたくさんのことを学ばせてもらったお礼に有田先生に手紙を書いた。すると、和紙に毛筆で、次のようなご返事をいただいた。これには恐縮してしまった。
「今後のためには、具体的なテーマをきめる。それにそって仮説をたて、気長に実践し、記録していくことが大切だと思っています」
「例えば『板書』で少ししゃべれるくらい勉強することです。研究とはいかにしぼりこむかです」
 このように書かれていた有田先生の手紙は、わたしにとっての宝物になった。  
(佐藤正寿:1962年秋田県生まれ。岩手県公立小学校副校長。「地域と日本のよさを伝える授業」をメインテーマに教材開発に力を入れている)

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