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教師が子どもの心のひだをつかめば、一人ひとりの子どもに適した指導ができる

 大人は昔、子どもだったので、子どものことは何でも知っているという気持ちがどこかにあって、あえて子どものことを知ろうなどとは思わない。
 事件が起きてはじめて「子どものこころがわからない。昔の子どもはこうではなかった」などと言い出す。
 特に教師たるべき者は、子どもの心をつかむ努力をいつもしておくのが当然である。
 子どもの見そうなテレビ番組を見るとか、子ども向けのマンガを読むとかして情報を得ることなど、よくやる手である。
 また、子どもと休み時間に遊んだり、清掃を一緒にしたりすることも、多くの教師がやっている。
 子どもと一緒に遊ぶと、教室では見られない子どもの生き生きした顔が見られる。
 まじめに清掃に取り組んでいる子どもには、感激さえ覚える。子どもをほめる材料はあちこちにある。
 子どもを「勉強ができる」ということだけで「良い」の評価を得て、行動が悪くても、あまり叱られないというのが社会通念としてある。
 授業中の子どもしか見ていないと、子どもの一面しか見ていないので、成績至上主義的な子どもの見方をしかねない。
 特に子どもの心のひだをつかんでいないので、学級崩壊状態になっても、なぜこうなったのか、教師はつかむことができない。
 このごろ何か学級の子どもの様子がおかしいなと感じたら、子どもと遊ぶとか、子どもと行動を共にして、内面の心のひだをつかむことが必要である。
 子どもと一緒に教師が遊んだり、話したりするのは教師が自己開示することである。
 子どもは教師の人間性にふれることができ、安心する。
 子どもの心のひだをつかめば、教師は子ども一人ひとりに適した指導ができる。
 このことが「個を生かす」ということであり、今の教育ではこのことが大切である。
(飛田貞子:元東京都の公立小学校校長)

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