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子どもの発言を教師が復唱する、意味づけ復唱法の授業は、子ども食いつき、知識が緻密になり残る

 意味付け復唱法とは、子どもに学習内容の意味付けをはかるために、教師または子どもが、お互いの発言を復唱することによって、授業内容の確認、焦点化、共有、記憶に役立てることである。
1 意味づけ復唱の方法は、
 (1)基本は、子どもの発言を教師が復唱すること。
  教師が子どもの発言を受容しながら復唱する。あるいは、教師が子どもの発言を別の子どもに復唱させる。
 (2)子どもの発言を他の子どもに復唱させる
  子どもが、別の子どもの発言を復唱しながら自分の意見をのべる。
 (3)復唱は、丸ごと復唱、短区切り復唱、キーワード復唱などがある。
2 意味づけ復唱法のよさ
(1)子どもの聴く力が伸び、コミュニケーションが円滑になる
(2)授業に緊迫感がでて、言葉を真剣に聞くようになる
(3)理解の確認ができる
(4)誤答もありのまま受け止め、誤答を気づかせる
(5)復唱だけで発言をつないでいけるようになる
3 意味づけ復唱法の例
(1)悪い意味づけ復唱法の例
 平行四辺形の授業で、
教師「この図形は何と言いますか」
子ども1「これは平行四辺形です」
教師「なるほど、いいこといったね。もう一度言って」と他の子どもにふる。
子ども2「これは平行四辺形です」
教師「なるほど、いいこといったね。もう一度言って」と他の子どもにふる。
子ども3「これは平行四辺形です」
 こんな授業を参観したことがあるが、は悪い例である。
 これは単なるリピート、つまり繰り返しているだけである。
 また「受容」している感覚が弱い。
 同じ言葉が続くだけだから、意味も広がっていないし、深まっていない。
(2)正しい復唱法の例
子ども1「これは平行四辺形です」
教師「なるほど、平行四辺形なんだ。いいことに気がついたね」(子どもの発言でキーワードを教師が復唱する)
教師「○○さんはいいことに気がついたんだよ。わかるかな」
 3秒、間をとりながら、子どもたちを見る。そこで、
教師「もう一度言って」(他の子どもにふる)
子ども2「これは平行四辺形です」
 ここから、意味を深めるための発問をする。
 平行四辺形という言葉が、子どもたちみんなの頭に残ったら、
教師「そうだよね。平行四辺形だよね。ところで、平行四辺形ってどこで気がついたの?」
子ども3「2組の辺が平行だからです」
子ども4「向かい合う2組の辺が平行だからです」
教師「この図ではどこかな」
子ども5「こことここ。もう一つは、こことここです」(辺を指しながら)
 子ども3~5のような展開があるのが正しい意味付け復唱法である。
 いずれにしても、教師に子どもの発言の真意を明確にしようという意志がないと、無理矢理の復唱法となる。
4 意味づけ復唱法のポイント
(1)意味づけ復唱法は,次の2つのステップを踏む
ステップ1:子どもの発言を復唱することによって「授業の舞台」にのせる。
ステップ2:舞台にのった発言に対して,教師や子どもが切り返すことによって,本人または他の子どもが元の発言に対して補完,焦点化,確認,共有して,元の発言の内容が他の事象と関係づけられていき,より広く,より深く意味づけられていく。
(2)ステップ1で発言を「授業の舞台」にのせるということは、教師のみならず子どもたち全員の議論の対象,追究の対象とするということである。
 それは発言した本人にとっては,高い視点から認知することを促します。
 また,復唱した教師も実はその発言の意味を再度考えることになります。
 このとき,教師,子どもたちがその発言の意味を考え始めるのである。
 それはどういう意味か。これと関係あるのかな。別の例で言えばどうなるのかな。この場合はだめだよ、などと子どもの思考を促すのである。
 これは,優れた授業ではごく普通に行われていることなのだ。
(3)教師による一方的な説明による授業では、復唱そのものがない。
(4)また,教師が子どもの発言を都合のよい解釈をする授業は,子どもの発言を取り入れているようだけれど,教師の解釈の押しつけにすぎない。
(5)教師は解釈もするが,子どもたちの解釈によって意味を広げ,深めようとするのである。
(6)教師による復唱というのはある意味では,子どもたちの前に発言をのせ、しかも解釈しないでのせてみるのである。
(7)本当は教師の頭の中では解釈しているのだが,これを解釈するのは君達なんだよと示すことである。そのとき,子どもたちが食らいついていくのである。
(8)これらの作用によって,子どもたちの頭の中の知識構造がより緻密になっていく。
(9)そして,結果として記憶に残ることになるのである。単語の繰り返しで暗記するのとは異なる方法なのだ。
(志水 廣:1952神戸市生まれ、神戸市公立小学校、筑波大学附属小学校教師を経て愛知教育大学名誉教授。専門は数学教育学) 

 

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