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教材研究の方法を林竹二との出会いによって、問い直しを迫られた

 伊藤功一の教師人生に大きな影響を与えたのが、林竹二との出会いであった。
 当時、古代ギリシャ哲学(ソクラテス)の研究者で宮城教育大学学長であった林は各学校を訪れ授業をする「授業巡礼」に力を注いでいた。
 林の存在を「授業 人間について」(国土社)で知った伊藤が、林にお願いして学校に招待して、「人間は動物だろうか」の授業を行ってもらった。
 林は「人間は動物だろうか」と子どもに問い、一人ひとりの子どもに、なぜそのように考えたのかをとことん問い詰めていった。
 子どもたちは次第に無言になり、後半は林の説明が続く授業となった。
 教師たちは、林の授業から何らかの奥深さを感じとっていた。
 林の授業は、子どもたちに問いと真剣に向き合い、自分で考え抜くことを求めるものだった。
 林は、授業が授業として成立するには、教師が自分自身の授業をあらためて問い直す必要があることを身をもって示したのであった。
 伊藤は、林との出会いからの四年間は、授業の問い直しを迫られ、自分の授業を否定することの苦悩に耐えながら、少しずつ自分の殻を脱ぎ捨てていった。
 教材研究は、授業を前提として教材から教えるべきものを取り出すのではなく、一人の人間として教師自身の興味のおもむくままに調べ「第一次教材解釈」がまずある。
 その後、教師として授業してみたいものを精選して授業案を立てる「第二次教材解釈」へと進むことが必要となることに気づいた。つまり、
(1)授業を意識しない、学問的追究の楽しさを感じる。
(2)その感動を胸にして、子どもたちへの授業の動機が生まれる。
(3)こんなことを考えさせたい、伝えてやりたいという意欲につながっていく。
(4)そこから、子どもたちの真剣な思考が生み出されていく。
 ことを見いだしたのである。
(伊藤 功一:1930-2009年、元青森県内中学校教師、教育委員会、小学校校長)

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