« 授業が面白く、学校に来るのが楽しみになる、笑いのある授業をして授業力をアップをする方法とは | トップページ | 木下竹次の大正時代の新教育運動「他律的教育から自立的学習へ」とは »

笑いを授業に取り入れると、子どもと教師の距離を縮め、子どもたちに安心感を生み出す

 中村健一先生は授業に“笑い”を授業に取り入れている。
 突然かっぱの帽子をかぶって教室に現れた。
 中村:「らっぱって知ってる?ってきいて?」
 子ども:「らっぱって知ってる?」
 中村:「ああ、池で泳いでいて、頭の上に皿があって、・・・・それは俺か!・・・・いまいち、やったね」
 始まったのは国語の授業。その内容は“ボケと突っ込みを考える”というテーマだった。実は5年生の国語に「会話を弾ませよう」という単元があり、ならばみんなで漫才をやってみようというのだ。
 子どもたちの発表、
「サラダが残ったときにかけるのは?」「それはラップ」
「じゃあ黄色い果物は?」「それはパイナップル」
「いい加減にしろ、ラッパだぞラッパ」
「突き指とかしたときにはるやつね」「それはしっぷだろ」
「いい加減にしろ」
 中村先生が“笑い”を授業に取り入れた理由は、子どもたちのある“変化”に気づいたからだ。
「どうも子どもらの安心感が無くなっていると気づいたんです」
「今の子は距離が遠くなっている」
「子ども同士も、先生とも、ちょっと遠慮がちに、みんなつきあっている」
「そこに笑いというものを入れることで、安心感を生み出せると僕らは考えています」
 中村先生たちは、同じ志を持つ教師が集まり「お笑い教師同盟」を結成。それぞれが教室で鍛えたネタをメールなどで教え合って授業力の向上に取り組んでいる。
「批判はあるかもしれません。そもそも“授業が面白くなくてはいけないのか”という疑問は出てきますよね」
「でも、感覚的だが、笑いの無い授業をやっていたら授業は崩壊して、成り立たないと思いますよ」
 中村先生が講習会で話されたのは、フォローの大切さです。受講した先生の感想は、
 授業では子どものどんな発言に対しても、中村先生は子どもが笑顔になれるフォローをされていました。
「きみは、ここで僕に会うために生まれてきたんだ」
 と、褒められたときは、先生は褒めるための言葉の引き出しをたくさん持っておられるのだなぁと思いました。
 どんな言葉を言っても、先生にたくさんの褒めことばをもらえる子どもたちは嬉しいだろうし、安心して力を発揮できるのだろうと思いました。
 出会った子どもの中には、周りの目を気にして力が出せない子もいるので、このようなフォローは大切だと感じました。
 私も子どもにふった“フリ”を何らかの形で“オチ”を返してくれたら、意識的にフォローしていこうと思います。
 2つ目は、フォローと甘やかすのを一緒にしないことです。
 どんなことも、優しくフォローしてあげることが大切なのだと思っていました。
 しかし、5分前集合に遅れてきた子を中村先生は思い切り、叱っておられました。
 このとき、意外な展開で驚きました。
 だけど、確かに、教師は子どもを伸ばすことが仕事で、成長を褒めることが大切なのだと気付かされました。
 しっかり叱って、その後フォローする大切さを知れて、勉強になりました。
 中村先生は、着任式の挨拶は、いつも決まっている。
 全校児童を前に、次のような挨拶をする。
「せっかくマイクを持たせていただいたので、歌を歌いたいと思います」
「♪チョウチョ~♪チョウチョ~♪菜の葉にとま~れ~♪菜の葉にあいたら~♪桜にとま~れ~♪」
「さて、ここで問題です。チョウチョは、本当に桜の花にとまるのでしょうか?」
「そんなことを一緒に勉強していきたいと思います」
「中村健一です。よろしくお願いします」
 歌を歌うということは、子どもたちにとって、相当インパクトがあるらしい。
 中村先生が歌を歌い始めると、子どもたちは、耳を押さえるポーズをしてくれる。
 まさに“ツッコンデ”くれているのだ。お笑い教育の第一歩である。
 廊下を歩くと、子どもたちが声をかけてくれる。
「先生、チョウチョは桜の花にとまるよ。だって、見たことあるもん」
 中村先生は、笑顔で「本当?」とだけ答える。なぜなら、正解を知らないからだ。
 中村先生は、教室に入ると、とりあえずこける。これだけで“ツカミ”はOK!
 教室は大爆笑になる。
 ビートたけし氏もよくこけていた。コロッケ氏もツカミに使っていると話していた。
 そして、大笑いしている子どもたちに言う。
「きみたちみたいに、よく笑う子って、いい子なんだよ」
 笑う子は「明るい子」「頭がいい子」「話をよく聞いている子」「けじめのある子」であることを話す。
 そして「笑いの練習」をする。故林家三平師匠をイメージすればよい。頭に手をもっていけば、いつでもバカ笑いできるほどに鍛える。
 「お笑い」で教師と子どもの距離を縮めることができる。子どもと教師の距離を縮めることで、教室を安心感のある場所にすることができます。
 中村先生はキャラづけをする実践をしています。たとえば、
「うずら卵が死ぬほど好きです!」と宣言する実践です。
「それだけ?」と思われるかも知れません。しかし、効果はバツグンンです。
 たとえば、八宝菜が給食に出る日。
「先生、今日、八宝菜じゃけえ、うずら卵入ってるかもよ」
「うれしいじゃろう」と何人もの子が私に話しかけてきます。
「へへへ、楽しみ~!!」こう言って、よだれを拭く真似をするだけで子どもたちは大喜びです。
 こんな、ちょっとしたキャラづけが子どもと教師の距離を縮めてくれるのです。
「ドラえもんが死ぬほど好き」など、何でも好きなものをアピールすれば、それだけでキャラづけができます。
 逆に「ニンジンが苦手」「クモだけは嫌」など苦手なものをアピールルするのも子どもたちは大好きですね。
 教師のキャラづけは、子どもとの距離を縮める有効な方法です。
 ぜひ、あなたもキャラクターをアピールして、子どもたちとの距離を縮めてみてください。
(中村健一:1970年山口県生まれ、山口県岩国市立小学校教師。授業づくりネットワーク、お笑い教師同盟などに所属。笑いとフォローをいかした教育実践は各方面で高い評価を受けている。 また、若手教師を育てることに力を入れ、多くの学生に向けて講演も行っている)

 

 

|

« 授業が面白く、学校に来るのが楽しみになる、笑いのある授業をして授業力をアップをする方法とは | トップページ | 木下竹次の大正時代の新教育運動「他律的教育から自立的学習へ」とは »

教師と子どもの関係づくり」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 授業が面白く、学校に来るのが楽しみになる、笑いのある授業をして授業力をアップをする方法とは | トップページ | 木下竹次の大正時代の新教育運動「他律的教育から自立的学習へ」とは »