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教師に必要な資質として大事なものは何か

 教師に必要な資質として大事なものは何でしょうか。
 教師に必要な資質を考えるということは、自分なりに教師の理想像を抱くことを意味します。
 自分なりの理想像をふだんから意識しながら、それを自らの行動の指針として機能させることは私にはとても大切なことのように思えます。
 こうした問いに絶対に正しい答えなどありません。
 年齢を重ね、経験を重ねるうちに少しずつ考えが変わっていくことはあるでしょう。
 自分の成長にしたがって修正していけばよいのです。
 私は教師生活20年を超えましたが、教師に必要な資質として大事なものは、つぎの5つだと思います。
(1)いつも笑顔でいること
 あなたが教育技術をいくら学んだとしても、いつも笑顔でいること以上に威力を発揮することはありません。
 教師は子どもたちにとってモデルとして機能しています。
 いつも和やかにすごす子どもに育てたいと思うならば、他ならぬあなた自身が常に上機嫌でいることです。
(2)孤独に耐える力をもつこと
 教師も人間ですから、他人に嫌われまいという気持ちが働いてしまいます。
 それが生徒指導を甘くさせてしまったり、保護者に事なかれ主義で対応してしまうことにつながります。
 どれも「孤独に耐える力」の欠如に起因しているのです。
 教師は孤独に耐える力が必要なのだという意識を持っていると、具体的な場面で驚くほど対応が異なってくるものです。軽視してはいけません。
(3)無駄とわかっていることに取り組めること
 教師の一つの指導や取り組みによって、すぐに効果があらわれるわけではありません。
 しかし、そうした指導や取り組みを続けることでしか、成果はあがらないのです。
 生徒たちを変えたい、成長させたいと考えるならば「無駄とわかっていてもやり続ける」という覚悟が必要なのです。
(4)子どもといっしょに馬鹿げたことを一生懸命にやるのを楽しめること
 人はいっしょに笑った分だけ人間関係を築くことができます。
 学生時代の友人とのやりとりを思い浮かべれば合点がいくはずです。
 行事やレクレーションなどでは、生徒たちとともに楽しむ姿勢が必要です。
 馬鹿げた取り組みを何度もいっしょに行うことが、少しずつ大きな意味をもち始めることもあるのです。
(5)いつでも変われること
 教師は成長することが重要です。
 それでこそ生徒を教育する資格があるのです。
 成長とは自らを変えることです。
 実は、変化を怖れる人、現状維持にどっぷりとつかっている人は教師に向いていないのです。
 常に自らを変化させようとアンテナを高くする。
 何か現状を一歩でも進める方法はないかと常に考えている。
 そういう教師だけが生徒たちを導く資格があると私は考えています。
(堀 裕嗣:1966年北海道生まれ、札幌市立中学の国語科教師。92年、国語教育研究サークル「研究集団ことのは」を設立、道内の民間教育団体でつくる「教師力ブラッシュアップセミナー」の代表も務める)

 

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