教師や親は笑いを浮かべ、子どもたちのよき語り手になってください
教育とは、語ることです。
教師や親が語ることで、人生がこの世でもっとも面白いことになります。
人生には苦労がともないますが、楽観的に、希望と喜びをもって生きなくてはなりません。
そして教師と親は、よき語り手となって人生のワルツを踊ってほしいのです。
親は自分のことを語って子どもに教えてください。
世の中は犯罪、災害などの報道を目にしない日はありません。
いつの間にか、生きるのは不安で辛いものだと思うようになります。
もっと穏やかに生きていきたいものです。
そのために、自分たちの愚かな行いや恐怖などを笑いとばす方法を学んでください。
教師は、笑いと涙を交えて自分の経験を語ってください。
語るときには、授業のときとは違う口調で、声に抑揚をつけ、訴えるように語ってください。
論理的な情報を伝えるときとは違った身振り手振りをつけることも大事です。
高学歴の親や教師はたいてい融通がきかず、几帳面すぎて、頑固な場合が多いのです。
では、そういう人は語り手になれないのか、といえば、私はそうは思いません。
どんな堅物であっても、人の内部には、息抜きをし、遊び、リラックスしたがっている道化師がいます。
その道化師を表舞台に呼び出してください。子どもたちをびっくりさせるのです。
子どもたちは真面目な、それでいて楽しい教育を求めています。笑いを浮かべ、子どもを抱きしめ、語ってください。
語ることは思考力を促し、分析力を刺激します。
子どもたちが口答えをしたときには、考えさせるようにすればよいのです。
子どもの内面からの声には、語ることによって穏やかに応じてください。
若者たちは叱責や命令を忘れることはあっても、あなたの話を忘れることはないでしょう。
(アウグスト・クリ:1958年生まれ、精神科医。ブラジルで多くの子どもや親に触れてきた。教育者などの人材育成を行う知的アカデミーの創設者。ブラジルのベストセラー作家)
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