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世の中には知識はあっても、わが身に応用する知恵が足らず実践出来ない人がいかに多いか

 国語辞典には「知恵とは、物事を知り、巧みに処理していく能力」と書いてあります。
 即ち、知識とは勉強するもので、知恵とは問題解決能力を指します。
 知恵は問題にぶつかりながら、行動の中で身に付け育てていくものです。
 例えば、糖尿病に関する知識は糖尿病教室で教わり、生活習慣を変える知恵は現場(家庭、職場、社会など)で身に付けます。
 このように、経験を通して得た知識こそが、やがては自分の知恵として身に付いた物となります。
「知識」は生活の糧を得るのには役立ちますが、「知恵」は人生に役立つものです。
「出来ない奴ほど自分の持つ知識をひけらかそうとするが、出来る奴は行動することで知恵を示してくれる」とは、ある料理の達人の言葉です。
 ゲーテの言葉に「真の知識は経験あるのみ」「経験は知恵の父、記憶は知恵の母」がある。
 日常生活の中から学んだ経験と記憶が、自分の知恵として身に付けばよいのですが、なかなか上手くはいきません。
 血糖が上がることが分かっていながら、間食が止められない、つい食べ過ぎるなどです。
 糖尿病で困っている人は、経験から得た身に付いた知恵があれば、糖尿病を打ち負かせると、励まされます。
 しかし、「分かっちゃいるけど、止められない」というのが現状です。
 良い知恵は身に付きにくく、悪知恵はすぐに身に付きます。
 それは、行動変容を必要とする目標が願望のことが多く、その目標達成には多大な努力がいるからです。
 そこで別の視点から現状を解析してみると、患者さん自身が実践出来ないことも問題ですが、患者さんに行動変容を促す私たち医療従事者の支援方法が間違っている場合があることに気付きました。
「医者の不養生」「論語読みの論語知らず」などと言われるように、世の中には人に教える知識はあっても、その知識をわが身に応用する知恵が足らなく実践出来ない人がいかに多いことか。
 食事療法を勧める医者が肥満でしたらどうでしょうか?
 禁煙を勧める医者が愛煙家でしたら?
 患者さんに行動変容を促す前に、自分自身の行動変容が出来なければ、患者さんは変わらないでしょう。
 先ず、医療従事者から行動を変えて、「知恵の輪」を作る努力が必要です。
(石田俊彦:香川大学名誉教授。元香川大学医学部附属病院長)

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