偏差値45~55の生徒の特徴と偏差値45以下の生徒の特徴、このグループからの脱出法とは
1 偏差値45~55の生徒の特徴と、そのグループからの脱出法とは
この偏差値にいるのは大多数の受験生です。
普通の学校にいて普通の暮らしをしていて、目立たず、特別悪いこともなく、テストもほどほどにできているグループです。
付和雷同的で、個性や独創性、積極性もあまりみられないのです。つねに満足できぬものを持っています。
このグループからの脱出は不可能に近いのです。
だから私は、河合塾の入塾式で昔、この集団の生徒たちに向かって、
「今までの生き方や小中学校での訓練・暗記式の勉強の仕方や考え方では絶対ダメ」と言ってきました。
これまでのやり方にこだわりがちなグループなので、発想の転換をして、生き方、生活の仕方、勉強法の全てを変えた時にだけ、変われるかもしれないのです。
親も、友だち親子をやめることではないでしょうか。
つまり、今までの生き方、勉強の仕方をあきらめること。
一人で生きる決意をし、親も子どもを自立させる方向に推めること。特に訓練主義から抜けることです。
2 偏差値45以下の生徒の特徴と、そのグループからの脱出法とは
十人十色のさまざまなタイプの人がいるのがこのグループです。
これまで何も勉強らしいことをしてこなかった子が、ときどきいます。そういう子はすごく伸びることがあります。
例えば、今まで出会ったことがないような教師や大人に接したとき、あるいは、本・社会・世界が本当に興味深く面白いと考えられたとき、その子は、ものすごく弾けて、メチャクチャ勉強するようになる。
それから、このグループには高校中退者や非行などで学校からはじき出された子どもも多いのです。
この子たちも3分1ぐらいは、何とかなります。
やり方がうまく当たれば大当たりになる可能性があります。
学校からはじき出されたのは、人間関係などが原因の場合もあり、学力の問題だけではないのです。
その子たちは、社会に出ても大学を出ていないとろくな仕事しかなかったり、出世もできないし、バカにされるので面白くない。
それで反抗心から大学へ行こうと思ったという生徒もけっこう多いのです。
このタイプの生徒は、勉強の仕方については何も分かっていないし、自分で大学に行こうとしているわけですから、先生の言ったことを守る者が多いのです。
そういう子は、スタートの偏差値が低いので、それこそ偏差値が20とか30とか伸びたりします。最高の伸びを記録するのです。
残りの3分の2ぐらいの生徒は人間不信があり、大人の手には乗らないかもしれません。
親や教師の言うことを聞かない生徒も多いのです。親に怒られて予備校へ来ているのです。
(牧野 剛: 1945-2016年、岐阜県生まれ、高校教師等を経て、河合塾国語科の専任人気講師(30数年間)。河合塾の数々のイベント・シンポジウムを企画し、実現してきた)
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