小学校教師時代に,東の斎藤喜博,西の堰八正隆と称された堰八正隆とは
堰八正隆の小学校教師時代は,東の島小(斎藤喜博),西の用瀬(もちがせ)小(堰八正隆)とならび称された実践家です。
堰八先生は授業の大切さを認識していた点では斎藤喜博や向山洋一と変わらない。
異なる点は、堰八先生の視点が徹頭徹尾子どもとの関係づくりに向けられていることと、子どもを育てる視点が明確に意識された指導がなされていたことである。
堰八先生の講演で心に残ったキーワードを次に示します。
地位と名誉を考えたら教育者はだめ。
子どもは親しい人がいい。いろんなものを教わる。
教材は子ども同士が心を開くためのもの。
教育力の不足は誠心誠意の問題。
スキだっていうとき、子どもの脳は一番が働く。
一人をほめることで全員を認める。
子どもから学び取る。
教材研究を目一杯する。やればやるほど、面白くなくなる。
子どもに任せると柔らかくなる。
自分でやってできないことは聞く。
創造性が大事。自分のアイディアが大事。
子どもを変化させていく。解体する。破壊じゃない。刺激を与える。ルートを造っていく。ヒントを与える。
集団が変わるとすぐ個人は変わる。みんな同じ。
子どもを引っぱりつけるオーラをもつ。
教材研究は食べ物と同じ。食欲が大事。
教材もこれぐらいだったら食べられるぐらいの量でないといけない。
根気強くいけば必ず通じる。
勝負は3つ:頭、胸、肚。3つがあることを気合いという。それがオーラ。
子どもに学校に来てよかったと思わせたい。
堰八正隆先生の授業を拝見して、講演を聞かせていただいたのですが、とにかくすごかった。
堰八先生、退職されて何年もたつのに、すごいハリとツヤ気迫は半端ない。
子どもが育たない言葉遣いのkeywordは「ネチネチ・ガミガミ・クヨクヨ・グズグズ」だそうです。
この言葉を使うと、子どもは「イライラ・オドオド・クヨクヨ・グズグズ」になるそうです。
大切なのは、3つの氣「陽気・元気・根気」だそうです。
子どもに指導してもらう。
学級崩壊の前に学習崩壊。
学習崩壊のクラスこそおもしろい!
人間は皆おもしろい!!おもしろくてたまりません。
子どもは、「迫力のある教師」が好き。
子どもに無駄な話をしてやることが大事。無駄こそ大切。
まず新鮮さ「前の先生とは違うぞ!?」
教師に必要なのは「新鮮さ・活力・明るさ」
子どもといろいろなことをしてふざける。
「やさしさ」の基盤の上に子どもをのせ、「厳しさ」で挟み込む「サンドイッチ法」
感受性で子どもをみたら、全ての子どもを救うことができる。
左脳(厳しさ)⇔右脳(やさしさ)
教師は、子どもに学力をつけることはできない。学力をつけられる環境をつくるのが教師の仕事。
学級に個性が出てよい。〈個性が出ないほうがおかしい。気持ちが悪い)
子どもが本性を丸出しにする授業をしよう。
環境によって人は変わってしまう。
小学生は心を掃除力で磨くのは難しい。
生活指導は全て、授業で行う。授業で良心を育てる。
教師も「できない!」「わからない!」「恥をかいた!」経験をするべき。子どもの気持ちがわかる。
脳は刺激を与えないと止まる。
一番大切なのは「この先生と一緒におったら私は絶対に良くなる。」と子どもに感じさせる。
「思い込む」と人間はそうなる。「そうなるんだ!!」と思い続ければ、ひとりでになる。
言葉を目に入れる。近づいていき、相手の目の中に言葉を注入していく感じ。口先言葉を使うな!
「目」を使えば使うほど、子どもは、その教師の言動行動が真実だと感じる。
どうすれば、子どもの瞳は輝くのか!答えは「お喋り!」
まずは、子どもの心を掃除。おなかにたまっているものを全部出し切らせる。
子どものエネルギーを発散させる。一息ついて落ち着いたところに「これはね・・・」と指導開始する。
まず身辺の掃除、それこそ手始め。
先生は「勉強をしなさい」といわない。
嫌いな人に近づくと好きになる。自分を実験材料にしつつ、自分を改革していく。
「技法」にとらわれない。「信念」は自分でもとう。
気配り(レーダー)と心配り〈心配)を育てよう。
文章を読む力があれば、別の教科でも何でもできる。
教師がぼけて、子どもに突っ込ませる。
板書は一年かけて「字はここまで丁寧に書くんだ!」というをハートを伝える。
教材は天から与えられた配ぜん。
授業が全て。子どもとどこで繋がるか、子どもの生活指導をどこでするか、それは 授業で。
授業で必要なのは、「人間力・知識・技能・徳・情操・コメント力」
第一印象はとても大事。
教師はとにかく動き、身体を動かすことです。20代は、とにかく走り回っていました。仕事を探し、動き回り、とまらない自分をつくりましょう。動くことで脳が活性化するのです。
子ども同士の話し合いのコツは、子どもが本当に「話し合いたい」という問題意識をもっていないと、話し合いはできない。子ども一人一人がみんなの前で自分の気持ちを言う練習は大切です。
先生方、成功してはいけない。失敗を重ねましょう。満足は自己弁護にしかなりません。悪いものは悪い!といえる心を持ち続けましょう。
困ったり迷ったりしたら、前へでよう。決意の心をもつのです。子どもを改造してはいけません。自分を改造するのです。
講演会に参加して堰八先生の魅力と迫力に、ただただ圧倒されました。
お話中、ずっと笑顔で楽しませていただきました。お話を聴きながら、気付いたら堰八先生のことを大好きになってしまいました。
いつまでもお話をきいていたいような気分になりました。
講座が終了したとき、堰八先生が私のほうへ近づいてきて、すっと私の肩をたたいてこう声をかけてくださったのです。「君は、いいよ。うん!いい」もう涙がでそうなくらい。嬉しくなりました。
こうやって子どもたちともつながっていくのだろうな。とも思いました。
(堰八正隆:鳥取県公立小学校教師。定年退職後は関西地方や、岡山県北部で授業づくりや、生徒指導に尽力されました。阪神間,岡山などを中心に教育アドバイザーとして活躍。子ども,保護者,教師の教育相談は,年間1000件を越え,模擬授業・講師など精力的に活動。2016年88歳で亡くなられた)
| 固定リンク
「教師の人間としての生きかた・考えかた」カテゴリの記事
- 首の骨を折る転倒事故を体験した教師が、命と感謝の学びで、生きているだけでも幸せであることを心から感じるようになった 腰塚勇人(2021.06.30)
- 先生という仕事は力を付ければ付けるほど楽しくなる 俵原正仁(2021.06.29)
- 充実した素晴らしい教師人生を送るにはどうすればよいか 古川光弘(2021.06.20)
- 教師は人間好きであることが肝要、自分に不都合なものをも包みこみ愛せよ(2020.08.20)
- 大正自由主義教育運動で中心的な役割を果たした澤柳政太郎とはどのような人物であったか(2020.08.17)
コメント