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仮説実験授業よる子どもたちの人間形成とは

 庄司和晃が山形県長井市豊田小学校教師のとき、
(1)問題児の指導を通じて、親と教師がお互いに信じ合い、子どもを愛情で包みこむこと。
(2)教育者として子ども一人ひとりと向き合うことによって、信頼関係を結ぶ。
 そこからはじめて教育という活動を進めていけると感じていた。
 この経験から、仮説実験授業における討論でも常に、子ども一人ひとりの発言に注意し、それらを詳細に検討した。
 柳田国男の影響を受け、1956年ころから「理科コトバ」と呼ばれる子どもの生活経験から生じる言葉に注目するようになる。
 これが、のちに仮説実験授業の討論に注目して子どもの認識過程を分析する素地となったといえる。
 仮説実験授業を通じて、理科の授業は科学にもとづく原理や法則を教えるだけではない。
 その原理や法則が、子どもたちにとってどのような意味をもつのかを子どもたち自身に考えさせることを学び、授業に取り入れようとした。
 その方法として庄司は討論を重視した。
 討論で子どもの認識の深まりをとらえるために「キッカケ言葉」に注目し、子どもたちの討論を分析した。
 分析の結果、庄司は討論することによって、子どもたちの思考が「のぼりおり」をくり返しながら、認識を深める様子を見いだした。
 子どもたちの認識が深まることで、
(1)自分自身が進歩していく
(2)自分自身が変わっていく
(3)自分自身のすばらしさをみつけだしていく
(4)問題を処理する自分の力に自信をもっていく
 そうしたことを、
(1)子どもが自覚することができ
(2)自分自身が生きぬいていくためのもっとも強力で有効な武器あるいは味方となるものを子どもたちが手に入れていく
 ことが可能になると庄司は考えていた。
 すなわち庄司は、主体的な人間形成をもめざしていた。
 庄司は「認識の三段階連関理論」を創出し,人々の認識の在り方を
(1)感覚的素朴的段階(直観)
(2)表象的過渡的段階(生活経験)
(3)概念的本格的段階(既習の知識)
 の3つの段階として捉え,この3つの段階間を上り下りしたり,横ばいしたりすることにより認識は深まるとした。
(庄司和晃:1929-2015年山形県生まれ、山形県公立小学校教師、成城学園初等学校教師を経て大東文化大学教授。板倉聖宣らと仮説実験授業を提唱。認識の三段階連関理論を創出した)

 

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