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小学生の子育てのコツとは

1 小学校1,2年生の子育てのコツ
 小学校に入学するまでは、さまざまな準備をはじめます。
 努力のわりには成果が得られないと親は感じる時期です。親があせると子どもの不安は強くなります。
 親は子どもが本来持っている学習能力を信じて長い目で見守ってあげることが必要です。
「この“あ”の字、難しいのにじょうずに書けているね!この調子で今度は“み”も練習してみよう!」
 というように、まずはほめてから、次の目標を示すような、ていねいで温かい励ましの姿勢を示すとよいでしょう。
 入学したばかりのころは、宿題も、次の日のしたくも、「いっしょにやろうね」という並び合いの関係でみてはげてください。
 この時期に、もっとも大切なのは、「知っていること」よりも「つくってみる、やってみる」生活体験を積み重ねることです。
 ものづくりで失敗の経験をしている子どもは、再チャレンジに意欲的な子どもになります。
 生活体験は「学びのタネ」の宝庫です。買い物に行って食材を探すとき、子どもが質問すれば「よく気がついたね」と子どもに気づきを受けとめます。
 共感してくれると、子どもはまた何かをやりたがり、学びたがります。
 もうひとつは、たくさん遊んでください。仲間とたわむれる体験がないと、人間の成長に偏りができることにもなります。
 文字を覚えるとき、大切なのは、文字が示す「ものや状態」とのつながりを考えることです。
「あ」のつくことばなら「あさ」、「あるく」といった生活に密着したものとつなげることで、文字への興味や関心が広がります。
 親も児童書に親しんで、交代で声に出して呼んであそぶうちに、文章をひとまとまりとして読めるようになります。
 算数のたし算、ひき算は、紙に包まれたキャンディーなど、数が意識できるようにするのがコツです。
 位取りは、一円玉が10個集まって、十円玉1個と両替、という生活体験があると分かりやすくなります。
 九九は、親子で唱えてゲーム感覚で楽しく覚えください。買い物に行ったときに「5個入りチョコを3個買ったら、チョコは何個?」と、かけ算見つけをしてみましょう。
2 小学校3,4年生の子育てのコツ
 3,4年生は「冒険の時代」といわれ、知的な好奇心に満ちていて、何にでもチャレンジすることをいとわない時代です。
 この時期におすすめしたいのは、科学読み物です。興味をもった分野を深めたり、視野を広めたりして、新たな発見が続くようになります。
 集団行動もとるようになり、数や時間、地理などの概念も備わってきて、子どもなりの考えをもてるようになります。
 親も「ずいぶん楽になったなあ」という実感がもてる時期です。
 とはいえ、怖いもの知らずものこっています。ところどころで手綱を締めつつも、子どもたちのエネルギーをどんどん発揮させることが大事な時期です。
 最近では、苦手意識が低学年から見かけることが多くなりました。「必死で頑張っている姿がとても素敵だった。感動した」と子どもに伝えてあげてください。
 もうひとつの変化は、親よりも友だちと過ごす時間を優先する時代に入ってくることです。
 親から離れていく時期ですが、旅行などちょっと特別な場所に「いっしょに行こう」と誘えば、喜んでついてきてくれます。
 4年生になると言葉による思考が完成し、大人の会話も理解できるようになります。
「○○ちゃんて、むかつくの?」と、話の語尾に「の」を使うと「だって、○○ちゃんて・・・」と子どもは次をつなげていきます。
 相づちをうちながら、一通り子どもの言い分を聞いてあげましょう。何かあったときは、親に話せば聞いてくれる、という信頼感を得ておくことは、何よりも大切なことです。
 その後で「あなたの気持ち、分かるよ。でも、お母さんは、こういう考え方もできると思うんだよね」と、共感を示しながら対等な立場で話をしてあげてください。
 今の時代は小さい集団での人間関係がすべてになってしまい、閉塞感に苦しめられています。
 人と出合って、人と関わって学び、子どもたちの心に人間への愛情、生きていることの尊さをもたらすようにしてあげましょう。
 人間への信頼をもっている子どもは「明るさ」があります。この「明るさ」が、これからの人生で、試練を乗り越えていく力になります。
 夕食のしたくをしている台所のテーブルで、宿題をする子どもに話しかける。それだけでも、子どもは安心できるのです。
 わり算も登場します。おやつを食べるときに、おやつを分けて自分の分はどれぐらいか遊んでみてください。
3 小学校5,6年生の子育てのコツ(1)
 小学校高学年になると、思春期に向かい、親から離れて自分の人生を歩み始めます。
 この時期の子育ての指針は、自分の考えで行動でき、目標を自分で選択し、仲間のなかで自分を表現していける、子どもを育てるという3つがあります。
 だから、これからは一方的に知識を詰め込むのではなく、どうしてそうなるのか、リサーチする学習が大切になります。
 この時期に伝えたいのは、人間のすごさです。
 職人さんのワザを見せたり、仕事への思いを聞いたりして、人間にとって仕事とは何なのかを考えさせたいのです。
 その人の素敵さを感じることで、自分はどう生きるべきかと、そこに自分の身を置いて考えるようになります。
 これまで外の世界に向いていた目が、自分の内側に向くようになると、なりたい自分と今の自分とのギャップに気づき、コンプレックスを抱くようになります。
 そのなかで自分を支えてくれるのは「今のままのあなたでいい」と言ってくれる人の存在です。
「ゆっくりでいいからやっていこう」と応援し、「できた」実感を積み重ねていくことが、自己肯定感を育てます。
4 小学校5,6年生の子育てのコツ(2)
 からだが変化するこの時期に、人間のからだを知ることです。
 早く成長する子は早いことに、遅い子は遅いことに悩みます。
 この時期に、どうやって人間は命をつないできたのかを知ることで、子どもたちは、人間の神秘やすごさを知り、自分のからだに起こる変化を、肯定的にとらえることができるようになります。
 思春期に入り、まわりの大人の生き方に共感や反発を感じ始めます。
 子どもは大人を客観的に観察し、大人の権威を押しつけられることを嫌います。
 この時期の子どもは、純粋なほんもの志向です。ほんものに出合ったときの子どもの受けとめ方の深さには、すばらしいものがあります。
 自分のなかに起こっている、からだや心の変化をもてあまし、イライラして、暴言や暴力などの行動を起こしてしまうこともあります。
 このとき、親が理路整然と言い聞かせようとするよりも、自分の感情で、正面から子どもにぶつかっていいと思います。
 たとえば「今、こういう状態になっているあなたが悲しい、親として手を差し伸べられないことが悲しい・・・」と、本音でぶつかりながら、分かり合っていくほかありません。
 性教育は、きちんと説明するより、おおらかに接するのが正解です。
 親から子どもにきちんと説明する、というのはなかなか難しいですし、子どももそれを望んでいないことも多いもの。
 人間の成長や生命につながっていくしくみをきちんと扱った本を、子どもの目に触れるところに置いておく、テレビをみているときなどにさりげなく話題にする、というようにおおらかに接していきましょう。
 子どもたちには、「読書」を強くおすすめします。
 この時期の子どもには、人間の奥深さを学んでほしいと思っています。
 ずるさや弱さ、情けなさをも含んだ、人間の“味”が読みとれる作品にめぐりあってほしい時期でもあります。
(黒笹慈幾 編集:1950年東京生まれ、元小学館 家庭教育雑誌『エデュー』の編集長。南国生活技術研究所代表、高知大学特任教授)

 

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