どうすれば子どもたちが「動く」社会科の歴史授業になるのでしょうか
子どもが発言し、歴史事実を自分の問題として考えるようになることを、安井俊夫先生は「子どもが動く」と表現する。
「動く」ことによって、子どもは自分の発言や行動から「何かをつかむ=わかる」ことになる。
そこで私たち教師が知りたいのは、どうすれば子どもたちが「動く」のか、ということである。
子どもたちが「動く」ためには、
(1)子どもの発言を引き出す
安井先生は子どもが感じたままの発言を重視する。そうすれば、子どもが発言しやすい。
子どもが歴史の事実を自分の問題として考えるようになる。
子どもたちが感じたまま発言をすることで、授業が活性化する。
安井先生は「発言を引き出す授業」を「ヤマ場のある授業」とも言う。
毎時間の授業で展開する必要はなく、4~5時間の内の一度でよい。
「ヤマ場」をつくるためには、それまでの授業で事実をとらえさせることが必要である。
そのために、子どもが自分で調べ、探し、発表できる教材プリントを用意しておく。
そのときに重要なのは「わからせていくのではなく、子どもが自分の力で何かをつかんでいくことでなければならない」と安井先生は言う。
(2)社会科通信
子どもたちの授業中の発言や感想をB5判に編集したものである。
「ヤマ場のある授業」のあとに出される。
授業中に発言できなかった子どもも、自分の考えを主張する機会が保障される。
子どもたちは社会科通信をみることで、自分の考えを再考することができる。
(安井俊夫:1935年東京都生まれ、千葉県公立中学校教師、愛知大学教授を歴任した。教育学者。専門は社会科教育法。社会科授業づくりには定評がある)
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