« 授業例:理科(中学校・物理):弾性ってゴムにしかないの? | トップページ | 大人が本気を出したら子どもが変わり、こちらを向く »

子どもが自分で答えを見つけたときのほうが、感じる喜びも大きく、記憶も強く刻まれるので、あえて答を教えない

 高校教師で高校サッカーの名監督として知られる大瀧雅良さんは、あえて“答えを教えない”というスタイルだ。
 練習中に生徒にぶつけられる「考えろ」という言葉は、大瀧さんの口癖であると同時に、指導の信念でもある。
「教えてもらったものは身につかない。教えて育てていると、いざ勝負というときに、『何か教えて』と頼ってくる」
「生徒が自分で考えて、自分で見つけた答えだけが、自分のものになるのです」
 番組放送時に中学英語教師であった、田尻悟郎さんの授業も、あえて答えを教えないスタイルだった。
 田尻さんはパーマー賞(英語教育界最高の栄誉)を受賞し、生徒たちにやる気を起こさせるマジシャンと呼ばれる。
 田尻さんは、これから習う英語の構文を生徒に問いかけ、意味を自分で調べさせていた。
 悩む生徒がいても正解を教えない。
 わからなければ、生徒たちは必死に答えを探そうとする。
 そうやって見つけた答えなら、簡単には忘れない。
 だから、答えがわからないときでも「ほったらかしでいい」と、田尻さんは言う。
「自分の手で調べた結果、間違った答えに行き着くこともあるでしょう」
「それでも、何かを調べるという過程で彼らはすごく頭を使うわけです。そこが重要なんです」
 学校の授業などでも、問題に対する答えを見つけると、子どもの脳の中ではドーパミンが放出される。
 ドーパミンは喜びや快感を生み出します。
 最近の研究では、人に答えを教えられたときよりも、自分で答えを見つけたときのほうが、より多くのドーパミンが放出されることがわかってきている。
 子どもの自発性に任せたほうが、感じる喜びも大きく、記憶へも強く刻まれる。
(茂木健一郎:1962年生まれ、脳科学者。ソニーコンピュータサイエンス研究所上級研究員)

 

|

« 授業例:理科(中学校・物理):弾性ってゴムにしかないの? | トップページ | 大人が本気を出したら子どもが変わり、こちらを向く »

授業のさまざまな方法」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 授業例:理科(中学校・物理):弾性ってゴムにしかないの? | トップページ | 大人が本気を出したら子どもが変わり、こちらを向く »