若い教師は、若いというだけで許されることもある、どうすればよいか
ベテランになっても尊敬されない教師とは「自分のことしか考えていない教師」です。
自分さえよければ、自分のクラスさえよければ・・・・・と、周りがみえないベテラン教師は尊敬されません。
しかし、若手教師はそうではありません。
自分のクラスのことしか目にはいらなくても、それは許されることが多いようです。
学校内の校務分掌もたいした役目はないし、まだまだみんなの役に立つことはないでしょう。
だからこそ、この時期に思いきり「自分のクラスだけ」のことをすればいいのです。
自分のクラスの「学級づくり」に専念します。それが若手教師の役目です。
私もこの時期には、思いきり「自分勝手」をさせてもらいました。
思う存分クラスづくりをしました。
自分のやりたいこと、自分が勉強したいこと、全部やらせてもらいました。
私はそのとき、みえないところで先輩がフォローをしてくださっていることは全く知りませんでした。保護者の方々にも声をかけていただいたようです。
新任3年目を過ぎたころから、ようやく周りがみえるようになってきました。
そのときにやっと先輩のすごさを実感しました。
ベテラン教師とはこうやって若手を育てるのだ、こうやって学年をまとめていくのだということがわかりました。
先輩の心の大きさ、視野の広さに敬服しました。
そしてそのころから、私は自分のクラスだけでなく、学年も、学校も考えるようになっていきました。
教師の役割にも順番があります。
新任教師は、まず自分だけの学級づくりを思う存分すればいいでしょう。
そしてだんだんと経験を積みながら、学年全体や学校全体をみられる力量をつけていき、新任教師をフォローし、その力を伸ばしてやります。
それが年代別の役割と言えます。
若手教師は「失敗してもいいから、もっと思いきってやってほしい」ということです。
「冒険するより地道にいこう」というようなことが、何かもの足りなさを感じさせてしまします。
ならば、遠慮せずに思いきりいきましょう。
「失敗を恐れたらダメ、一番恐れなければならないことは、失敗を恐れて何もしないことです」と、私は思います。
いくらいい考えでも、思っているだけでは何も変わりません。
とにかく一歩踏み出して、やってみなければ変わらないのです。その一歩を踏み出す教師にぜひなってほしいものですね。
いっぱいチャレンジして、いっぱい失敗して、いっぱい泣いて笑ってこそ、いい先生になっていくのですから。
子どもはそんな前向きな先生を「すてきだな、かっこいいな」とみているのですよ。
「子どもとうまくいかない」「子どもが言うことを聞いてくれない」「授業がうまくいかない」「教師としての自信を失った」・・・・・などと悩むことは誰でもあります。
そんなとき、どうするか?
私は先輩から「悩んだときは、とにかく遊べ!」と教わりました。「悩んだら遊ぶ」。
これは実践した者にしかわからないことですが、遊んでみると不思議に子どもとの距離が縮まり、通い合わせることができなかった心も、なんとなく通じ始めます。
人間は動くと変わります。汗をかきながら走り回ると、心がスカッとします。
これを気分転換とか発散と言ったりしますが、特に子どもはこの機能が発達していますから、すぐに元気を出してくれますし、こちらにも心を寄せてくれます。
さあ、やってみてください。悩んでいるときは「まず遊ぶ!」そこからです。
初めは、その最初の一歩がなかなか出ませんが「おい、一緒に遊びに行こう!」と大きな声で誘ってやってください。
つぎのようなとき、子どもと一緒に遊びます。
・子ども同士がけんかをしたとき
・子どもが落ち込んでいるとき
・教師が落ち込んでいるとき
・子どもを叱ったあと
・授業がうまくいかなかったとき
・学校が楽しくないと感じ始めたとき
こんなとき、子どもと一緒に思いきり遊びます。
汗をかきます。息がハァーハァー言うまで遊びます。
きっと変わります。いえ必ず変わります。
だまされたと思って、一度やってみてください。「悩んだときは、とにかく遊べ!」です。
(仲島正教 1956年生まれ 兵庫県公立小学校教師21年間、指導主事5年間勤務後48歳で退職。2005年より、教育サポーターとして、若手教師対象に「授業づくり」や「学級づくり」等のセミナーや講演活動は全国各地に年間150回。若手教師応援セミナー「元気塾PLUS」代表、尼崎市教育委員会教育委員)
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