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こうすれば小学校の管理職になれる? 穏便に定年まで勤めればという教師がほとんど?

1 こうすれば小学校の管理職になれる?
 担任した学級の成績を上げたり、作文や絵で大きな成果を出した子がいると評価も上がる。
 部活動で地区大会を突破するくらいの結果を残す。
 30歳代後半までに、いい教師という評価を得ておく。
 クラス内で騒動が起きた場合、とりあえずはクラス内で穏便にまとめ、上への報告は回避したい。
 高学年の担任は嫌な顔ひとつせず引き受け、問題児などを立派に卒業させ、勉強のできる子どもは適度に有名私学中学などに進学させると、ポイントアップにつながる。
 転勤はいらぬ我を出さず、あくまで流れに従うのがいい。
 転勤先の選択肢はあるが、問題の多いエリアは避ける。
 教師の世界はまだまだ保守的な考えが根強い。結婚が遅いとヘンな噂が立つことが往々にしてある。仲人は将来頼れそうな管理職に頼むのがよい。
 私生活では特定の宗教やイデオロギーに熱をあげるのはご法度で、頻繁な海外旅行や外車を乗り回さず、目立たないように振る舞うのがよい。
 職場で読む新聞は読売か産経が無難か。
 管理職や出世をあきらめた教師から、ともに好印象を得るのが大切。
 PTAにはマイナスイメージを持たれないようにする。
 管理職試験は筆記試験と面接。ただし試験を受けるには校長の推薦が必要だ。
 よって、校長へのお歳暮や接待などのゴマスリもときには必要。教育委員会に好印象を与えておけば、のちの試験でプラス評価を得やすい。
2 穏便に定年まで勤めればという教師がほとんど?
 教師の世界では、ことさら出世コースを歩まず、教室で定年まで勤められればという教師が多いという。
「実力がある、結果があるからといって必ず出世できるわけではないというのが先生という職業です」
「運悪く問題児の多いクラスを引き受けてしまったら、ただでさえ忙しいものがさらに忙しくなる。とても管理職試験の勉強なんてしている暇はない」
「コネ、ゴマスリ、タイミング、ラッキーなどいろんな条件がなけりゃ出世できるもんじゃない」と、怒りぎみで語るのは45歳の男性教師。
 彼はこれまで数々の問題児と対峙してきた。問題児のエキスパートとして高学年の問題児の担任ばかりをまかされ続けることに。気がつけば、出世コースからは逸脱していた。
 同期で教頭になっているのが3人いるという。
「はっきりいって、私は彼らと比べれば、3倍は子どものことを考えている」
「彼らは問題児だって『いずれ中学に進むんだから』と、穏便に済ませてきた」
「教室が荒れたってしらぬ顔して黒板に向かっていたようなものばかり」と。
 まあ、こんな“現場派”の教師はいまとなっては少ないのかもしれない。
 たいていの教師はといえば、無理に出世をねらうより、穏便にやって定年まで勤められればいいという人がほとんどのようだ。
「校長、教頭になっても給料はそんなに変わらないし、子どもたちと楽しくやっていたほうが楽ですよ」と、すこし力の抜けた教師のほうが、いまはしっかりと勤まるのかもしれない。
(ザ・小学校教師 別冊宝島)

 

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