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他の一般生徒を代弁した内容の叱り方をするとよい

 授業中に廊下を通ったある生徒が、ドアを思い切り蹴ったとする。
 当然、授業中の教師は「おい、何でけったりするんだ!」と注意する。
 たったこの一言で、その生徒は逆ギレして暴言の限りをつくすなどという例はめずらしくない。
 もし、無視したり、曖昧な態度に教師が終始すれば、一般的にはさらに問題行動はエスカレートするのがふつうだ。
 叱るのは蹴った生徒を反省させるためだ、などと勘違いしてはいけない。
 生徒が興奮しているときには、一般的には何を言ってもだめである。
 叱るのは、教室の中でことの成り行きを見ている生徒たちのためである。
「君の行為で授業が中断されてしまった」
「塾に行かずに必死に頑張っている生徒がたくさんいるんだよ」
「説明の真っ最中でやり直しだよ」
「君はそれで気が済むかも知れんが、今、せっかく○○君の発言中だよ」
「真剣に聞いていたら、いきなりだろう」
「みんなびっくりしたよ」
「今日が初めてならみんなも我慢できるけど、今までに何度もあるじゃないか」
「みんな迷惑しているよ」
 こういうふうに言うと、蹴った生徒は、
「そんなことはオレには関係ねーよ」
 などと言っても、一般生徒から浮くようなことはしたくないだろう。
 だからできるだけ、他の一般生徒を代弁した内容の叱り方がよい。
 すると、一般生徒は怖くて口に出せないが、心の中で「そうだ、そうだ」と応援するだろう。
 そして、子どもたちの中に不正を憎む気持ちが芽生えてくる。これが目的なのである。
(吉田 順:1950年北海道生まれ、37年間横浜市立小・中学校教師。生徒指導部長16年、学年主任13年。生徒指導コンサルタントとして全国の荒れる学校と関わる。「生徒指導」ネットワーク主宰)

 

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