授業で「疑問発見型学習」(社会科)をおこなうようになった理由とその方法とは
私は、「疑問発見型学習」に取り組んでいる。
生徒が主体的に学びに参加するため、生徒の疑問からスタートする授業を行ってみようと思ったことが原点である。
授業時間の前の休憩時に、生徒に次の授業で行う教科書のページの中で「不思議だなあ」「わからないなあ?」「なぜだろう?」と感じたものを、5つアンダーラインを引かせるように指示を与える。
授業時間になり教室に入ると、生徒は、仲間と相談しながら、ラインマーカーで教科書に線を引いている。
ここが、学びの構えづくりの第一歩である。
次に、私はそれぞれのラインが引いてある箇所を確認しながら、班(5~6人)で、さらに5つ程度に絞らせる。
このディスカッションによって、生徒自身の手で解決できる疑問は、話し合いの中で淘汰されていく。
そして、各班から出された疑問を、黒板に書きながら、その疑問を中心に授業を展開していくのだ。
たとえば、社会科の黒船来航の授業では
「ペリーは、何日滞在したのか?」
「日本人は、臆病で逃げ惑う人だけだったのか?」
「逃げるとしたらどこに逃げだしたのか」
「ペリーは日本語を話せたのか?」
などの疑問が出された。
「疑問発見型学習」は、生徒の疑問が発見されなければ、授業は進まない。
だが、毎回毎回、全ての授業でこの指導法を取り入れることではない。
生徒がマンネリ化していく時期や、生徒にとって関心をもたせにくい題材のときに、この手法を取り入れていくのである。
「学びの構え」をつくるポイントは、教室環境と同様、教師が黙っていても自然と生徒が「せざるを得ない」という状況をつくることである。
(高橋晋也:山形県公立中学校教頭)
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