社会科:大仏造営の学習のねらいと、学習の流れ
1 学習のねらい
大仏造営について調べ、天皇を中心にして作られた新しい国家の政治が、都だけでなく、全国にも及んだことがわかるようにする。
2 学習の流れ(4時間)
奈良の大仏(高さ15.8m)と学校の校舎を比べ、奈良の大仏の大きさを感じ取らせる。
カメラで校舎の写真を撮り大仏の写真や絵を重ねて見せるようにする。
聖武天皇は、どうしてこんな大きな大仏をつくったのだろうか?
また、どのようにつくったのだろうか?
8世紀の歴史書「続日本紀」(しょくにほんき)には、天平12年(740年)2月に聖武天皇が難波宮へ行幸の途中、智識寺の盧舎那仏(るしゃなぶつ)を拝まれ、このことが東大寺大仏の造立の発起となったことが記されている。
聖武天皇が智識寺(庶民がお金を出し合い造営したお寺。大阪府柏原市にあったが今は廃寺。)の本尊を拝んで感動し、大仏をつくる決心をした。
子どもたちは、
(1)大仏造営の理由
全ての人を救う大仏を人々が力を合わせて造る。
(2)行基の協力
(3)天皇の力の広がり
国分寺が九州から東北、物資や人(延べ260万人)が全国から集められた。
について調べ、発表する。
大仏開眼供養のときの聖武天皇の気持ちと、亡くなってあの世から行基、聖徳太子がどのような気持ちで大仏開眼供養を見ているのかを、まんがの絵の中のフキダシに書かせる。
聖武天皇が大陸から何を学ぼうとしたのか調べ発表する。
鑑真や遣唐使は、命がけで日本へ仏教や漢字、紙、囲碁・将棋、豆腐、みそ、まんじゅう、お茶などを伝え今日の豊かな生活をつくりだした。
もたらされた宝物は正倉院で1250年間保管されている姿を見せ、伝統や文化を大切にする気持ちを育てる。
平城京跡と東大寺、唐招提寺などの位置関係を理解することや、寺の現在の姿にふれること、聖武天皇が遷都した地域を調べることなどで、歴史的事象への関心が高まることを期待したい。
(長谷川裕晃:埼玉県公立小学校教師を経て越谷市教育委員会指導主事)
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