授業で、子どもはなぜつまずくのか、どうすれば防げるか
子どもは教室で毎日、これまでに出会ったこともない難しい問題に直面します。
だからつまずいてしまうのは当然のことなのです。
教室を「間違えるところ」にするのではなく、一生懸命に工夫して、もし間違えたらその「間違いを乗り越えるところにする」ことであると思います。
子どもがつまずくのは、つぎのような原因があります。
(1)「自力解決」の機会を与えられない
子どもにつまずきを起こさせまいとして、お膳立てをしてこと細かに授業を展開することがあります。
そうした授業をすると、問題を解き始めたときには、多くの子どもはどのようにしたらよいか分かっていて、答えを書くのみとなっている。
このような授業では、自分で考える、工夫するという機会が奪われるので、考えることが苦手、理解が曖昧という傾向が強くなる。
(2)難しいからと「冒険」をさせない
これでは、既習事項を活用して、新しい問題を解決する能力はいつまでたっても身につかない。
(3)難しいことをさせ過ぎる
(4)「書き方が乱暴」、「不正確」な処理
数字の書き方が乱暴なために見間違えによる計算ミス。
作業活動がいい加減なために結果を間違える。
手順にしたがって、ていねいに、正確に処理するという技能や態度を育てることが、つまずきを防ぐことになる。
(5)「うっかり」
注意力が散漫で、「うっかりミス」というつまずきである。
教師が注意を喚起し、自覚させない限りなくならない。
(6)「既習事項」の理解と定着が不足
つまずきの多くは既習事項、つまりすでに学習した知識、技能、考え方の理解、習熟、活用が不十分なために、うまく進められないつまずきである。
知識は、意味の理解をしたうえで、実際に活用しながら覚え、理解を深めていくことが重要である。
技能は、原理が分かり、処理するやり方を理解したうえで習熟させる。
そして、問題解決をすることに技能を活用させることによって維持し、いっそう向上させるようにしていくようにする。
(7)「既有経験」の不足
子どもの数える、比べる、分解するといった実体験の不足が納得につながらないために、つまずきとなって表れてくることがある。
豊かな生活体験は算数学習の基礎になっている。
算数活動を通して、事実をもとにして考え、考えたことを事実によって証明することの不足。
問題解決学習の体験等の不足によるものである。
(8)心理的圧迫感
みんなの前で失敗した恥ずかしい体験が、取り組みや発表をしないといった「閉じこもり」というつまずきの形をとらせることがある。
つまずきを恐れない、温かい学級づくりの援助をする。
(小島 宏:1942年生まれ 東京都国公立小学校教師、指導主事、小学校長を経て教育調査研究所評議員)
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