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問題行動を起こす生徒に「知らないふり」や「ものわかりの良い態度」はしない方がよい

 生徒は、心に何かが起きると問題行動を起こす。
 熱がでると薬を飲んで治すが、問題行動に対しても「知らないふり」や、なまじ「ものわかりの良い態度」や「理解のあるふり」はしない方がよい。
 授業中のドアを蹴る。教師にふてくされた態度をとる。
 わざと、「オレはこんな悪さをしているのだ。さあ、先公たちどうする」と試しているようなものだ。
 そんなとき、知らないふりをしたり、不問にするなどということをしてはいけない。
 私なら「ばか者! 何やってるんだ!」と、思いきり叱るだろう。
 もちろん、叱ったからといって反省するわけではない。
 暴言が返ってくるかも知れない。
 いったん、生徒との人間関係は悪化するだろうが、叱ることは生徒への「先生たちは見捨てていないぞ」という強力なメッセージなのだ。
 叱ったら反抗してくるが、叱らなければさらに見捨てられたと思って、問題行動は拡大するだろう。
 問題行動は「思春期のつまずき」のようなものである。
 大人になったら犯罪者になるわけではない。
 多くは一過性で終わる。
 問題行動をくり返す生徒は、心からの反省などは、簡単にできないから、問題行動をくり返しているのだ。
 叱るたびに、心からの反省という見返りを期待しない。
 今、目の前にいる生徒の「オレを見捨てないでくれ」という無言のサインに応えてやることだ。
(吉田 順:1950年北海道生まれ、元横浜市公立小中学校教師(37年間)。生徒指導部長、学年主任を歴任。「生徒指導ネットワーク」を主宰。生徒指導コンサルタントとして全国の「荒れる学校」を訪問し指導方針づくりに参画。講演、著述、相談などの活動をしている)

 

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