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校内で金品が盗まれたとき、どう指導すればよいのでしょうか

 あるとき、空いていた教室で、2千円の入ったサイフが盗まれた。
 このことを全体に指導する目的はあくまで予防のためだ。
 盗んだ生徒を捜してサイフを取り戻そうということではない。
 よほどの証拠がなければ無理な話だ。実際、ただの一度も盗んだ生徒が名乗り出た例は聞いたことがない。
 そこで、全体に次のような話をした。
「今回の事件は状況から、おそらく外部から入ってきた人が盗んだように思う」
「警察にも届けておき、今後は付近もパトロールしてもらうことにしました」
「先生たちも空き教室のパトロールをします」
「侵入者はこれで味をしめて、また来るに違いない」
「今度はとられる物がないように、お金は持ってきたら先生に預けなさい」
「盗みは病気になると、くり返すらしい」
「だから、テレビで窃盗歴が十数回というニュースを見たことがあるね」
「ところが、不思議なことに、一度だけやっても、反省して二度目はしないと、この病気は完治するらしい」
 こういった話は、もっともらしい話だ。これを聞いた盗んだ生徒は、大いに迷うだろう。
 盗みが多発する学校は、全体が荒れているか、同じ生徒が何度もやっているという盗癖のある生徒がいる場合かのどちらかである。
 それ以外の数ヶ月に一度くらいしか起きない盗みというのは、全体への指導でかなり防止はできる。
 学校全体が荒れている場合は、起きるのは盗みだけではないのだから、それだけなくそうとしても無理なことだ。
 盗癖のある生徒には。全体への指導では効果はまったくない。
 盗癖のある生徒を証拠もなしに指導してはいけない。
 身構えて真実は語らないだろう。
 盗みが起きていないときに、盗みとは関係のない話をして、家庭や、親、進学、趣味のことなどから、盗みのメッセージを読みとり、それを指導の対象にすることしか方法はない。
(吉田 順:1950年北海道生まれ、37年間橫浜市公立小・中学校で勤務した。生徒指導部長16年、学年主任13年などを兼任。「生徒指導」ネットワークを主宰。生徒指導コンサルタント、全国各地で講演、著述などの活動をしている)

 

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