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教師が子どもたちに、上手に話をするようになるには、どのようにすればよいか

 私が新任の教師だったころ同じ学校に青木という生物の先生がおられた。
 子どもたちに慕われている人気ナンバーワンの教師であった。
 生物室の前を通ると、青木先生の声が聞こえてくる。
 その話し方がすばらしいのである。
 説明するときはゆっくりとわかりやすく、発問もわかりやすく、そして何より子どもに本気で語りかけている。
 子どもの発言にもきちんと対応して、子どものことばを深く受け止めている。
 誠実に子どもと向き合い、子どもをくるみこむような優しい話し方である。
 この話し方に接していたら、子どもたちは聞かざるを得ないし、好きになるのは当然だと思われた。
 むろん、学習の成果も上がるはずである。
 のちに私は、教師の話し方について研究するようになったが、その出発点はここである。
 また、みんなに話しかけているのに、
「子どもは自分一人に話されているように感じる話し方」
 を教師の話し方の究極の姿として、私は思い描いた。
 それはこの青木先生の話のイメージをことばで表したものである。
 そこには、ていねいさ、優しさ、そして何より子どもに対する誠実さがあふれていた。
 学習を進めるのは教師の声である。
 教師の声がきちんと届かないと学習が成立しにくい。
 教師の声は最重要な教具であるといえる。
 子どもは明るく元気な教師が好きである。
 教師の声が明るく弾んだ感じかどうかは、学習に大きな影響を与える。
 野地潤家さんは、教師の話し方のベースは真心のこもった話法であると述べている。
 子どもたちの心が清められ、その苦悩が救われてくものがある。
 野地さんは教師の話し方の本質は「救いの話法」であると示された。
 この本質が根底にあってこそ、教師の話し言葉が子どもの言葉の育ちに機能するのだということが了解される。
 教師の話し方を分析する視点は
(1)態度
 明るい、にこやかである、落ち着いている、誠実である。
(2)発音・発声
 口がきちんと開いている、楽に発声している、声が高すぎない、小さすぎない、大きすぎない。
(3)速さ・間
 速すぎない、遅すぎない。
(4)発問・指示・説明
 明晰さは、学習そのものの成否に影響する。
(5)助言・対応
 助言や子どもへの対応の的確さは、人間関係を形成する。
(三浦和尚:1952年広島市生まれ、広島大学附属中学校・高校教師を経て愛媛大学教授・附属小学校 校長(併任)、愛媛大学教育学部長・大学院教育学研究科長)

 

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