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子どもたちの「算数のつまずき」に、教師はどう支援すればよいか

1 「ひき算」のつまずきの支援
 ひき算のつまずきへの支援では、次の6つに留意して行うことが大切である。
(1)32-15のようなひき算の定着
 32-15では、(20-10)+(12-5)=17のようなプロセスで計算する。
 したがって、1年生のときの既習事項に習熟させておくことが必要になる。
 だからといって、12-5のような計算のドリル漬け、時間レースのようなことは好ましくない。
「簡単な問題、立式、計算、答え」という一連の意味ある練習の中で計算力を維持するようにすると効果的である。
(2)ひき算の筆算の基本
 まず、48-13のような繰り下がりのない計算を通して、8-3、40-10の計算の原理を理解させる。
 次に、筆算の形式を確実に理解させる。
 このことを十分にできるようにしておき、次の段階では、繰り下がりだけに学習が集中できるようにする。
(3)繰り下がりの意味と処理
 繰り下がりの意味が分かり、処理ができるようにならなければ、同じようなつまずきがくり返される。
 そこで、32-15のような計算を、おはじきなど具体物を用いた活動を通して結果を求めさせる。
 その際、32-5の作業をして、その結果から10を取り去るという順にさせると分かりやすい。
 一の位の2-5ができないから、十の位から繰り下げて処理することを、作業的な活動を通して体験的に理解させ、できるようにすることが重要である。
 最終的には、作業的な活動の上で
(30-10)+(2-5)=(20-10)+(12-5)=10+7=17
 を一連の流れとして見せ、処理ができるようにする。
(4)筆算形式の理解と習熟
 作業的な活動で分かり、できるようになったことを、筆算形式の計算の仕方に移していく段階を丁寧に行う。
 教師が工夫した教具を用いたり、パソコンのパワーポイントを効果的に活用したりすることが大切である。
(5)計算練習をさせて習熟させる
 繰り下がりのある計算の仕方が理解できたら、「少しずつ、毎日、即点検、即個別指導」の要領で練習させるようにする。
 一度に大量にさせるのは考えものである。
(6)文章題にふれさせる
 ときどき文章題にふれる機会をつくり、計算を使えるようにする指導が大切である。
2 「わり算」のつまずきの支援
 。たとえば、42÷6といったわり算でつまずく原因は、かけ算九九1回適用のあまりのないわり算の仕方が分からないこと。
 かけ算九九の暗唱の曖昧さからのつまずきがめだちます。
 このようなわり算のつまずきへの支援は、新しい計算として「わり算」が導入される授業の中で、たし算の場面を作業的な活動を通して事実としてとらえる。
 次に、それを文章「12このアメがあります。1人に3こずつくばったら4人にくばれました」と表現させる。
 そして、これを12÷3=4と式に書く。
 いくつかの例を扱ったのち、わり算の答えは、九九を使えば求められると気づかせていく。
 以上の一連の学習を丁寧に扱うことが、わり算の学習のつまずき対策の基本である。
3 「分数」のつまずきの支援
 分数は難しいと教師と子どもも思い込んでいる。
 初めてのこの単元で、作業的な活動や図、数直線に表す活動などを通して、体験的に理解させるとつまずきの大部分は解消できる。
 分数はどのようなときに使われるか、どのように表すかを算数的活動を通して具体的に理解させる。
 つまずいた場合は、作業的な活動をさせながら再学習させる。
 また分数の仕組みが単位分数のいくつ分で表しているかを再学習させることが必要である。今後の分数学習の基礎となる。
 分数の学習の困難さは、大きさについてのイメージが浮かびにくいことがあるのかもしれない。
 数直線上で観察させるなどして誤りに気づかせることが重要である。
4 「文章題」のつまずきへの支援
 計算はできるが、文章題は苦手とする子どもがいる。
 これは、計算力は算数の基礎だということで、計算ドリル優先、文章題の解決体験を積極的にしてこなかったための人為的に作られた実態である。そこで、
(1)問題を理解する
 問題場面を理解できないためにつまずくことが多い。
 問題文をゆっくり、じっくり読んでどのような場面かを理解し、聞かれていること、求めることは何か、分かっていることは何かの順に読み取らせる。
(2)解決の計画
 問題を理解してはっきりしてきたら、さてどのように考えたら問題を解くことができるかと考えさせるようにする。
 どのようにしたらうまく行きそうか方法の見積もり・見通しを考えるようにする。
 規則性を問う文章題では、何と何が関連するのか、図を書いたり、表を作ったりして、どのような規則性があるかを調べる。
 きまりがわかったら、そのきまりを使って問題を解決するということを練習させるとよい。
(3)計画に沿った解決及び振り返りによる解決方法の修正
 問題をどのような計算で解決するか考える前に、数量の関係を式に表現してみることが大切である。
 演算の決定の体験を積み重ねるとつまずきを克服させることができる。
(4)結果を問題場面に照らした吟味
 答えを書く前に、問題場面に照らしたり、求答事項に合っているかを確かめさせたりすることが重要です。
(5)答え
 の順に進めるとよいことを、問題解決活動に即して体験させる。
(小島 宏:1942年生まれ 東京都国公立小学校教師、指導主事、小学校長を経て教育調査研究所評議員)

 

 

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