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子どもの真実がわかるものの見方とは

 山田洋子は現場(自閉症の子どもの心理療法)を経て大学の研究者となった。
山田は大学院入学前に心身障害者コロニー中央病院で自閉症の子どもの心理療法を行った。
 ことばがでない自閉症の子どもたちとの出会いが山田のものの見方を変えた。
 病院も施設もどこも混乱と試行錯誤の連続であった。
 そこで山田が得たものの見方は、矛盾したものを矛盾と自覚したうえで両者を共存させ複眼の視点でみる。
 つまり、研究者と生活者の両方に身をおいてものごとをみるのである。
 現場にどっぷりと浸らないと見えないものがあり、逆に外部の研究者だからこそはじめて見えるものがある。
 山田は障害児をかかえて苦労している母親からたくさんのものを学んだ。
 ひとつのものごとについて、あの母親たちの眼からみたらどうだろうか、と自問するようになった。
 矛盾するふたつのものの見方を共存させるというものの見方がそのときできたのである。
 山田は結婚して子どもができ母親となった。
 母親として子どもが泣きだしたらすぐ抱きしめてやりたいが、研究者としては、つぎにその子どもがどのような行動をするか観察してみたい。
 両者は矛盾する子どもへの関わりかたであるが、両方の見方があってはじめて、子どもの真実がわかると山田は思っている。
(山田洋子:京都大学名誉教授。立命館大学特別招聘教授を経て、立命館大学OIC総合研究機構上席研究員、立命館大学生存学研究所運営委員。もの語り心理学研究所長。専門は生涯発達心理学、ナラティヴ心理学)

 

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