子どもとともにつくる授業をするために必要なこととその例
よく聴き合いながら、みんなで追求していけば大丈夫といった安心感のもてる学級づくりを基盤として、東京学芸大学附属小学校は子どもとともにつぎのような授業をつくろうとしている。
子どもたちのもつ疑問や問いを大切にして学習課題として取りあげる。
そして子どもたちみんなで課題を追求し、発言やつぶやきをつないで連続性のある学びにして課題を解決していく。
そうすることによって、クラスの仲間との関係の中で学びが進化し深まり、子どもたち自身が成長することを実感しながら学ぶようになる。
例えば、東京学芸大学附属小学校が授業の終わりに書かせている学習感想文を見てみると、
「Aさんの言っていることを聞いて自分の考え方が変わってきた」
「Bさんの考えと自分はここまで同じだが、ここからは違う」
「Cさんの意見で自分の考えが固まった」
と書いているように、授業で仲間から影響を受けて、子どもたちの学びが深まり成長していることを示している。
今の若者たちは「数人の仲間以外はみな風景」といった他者意識が希薄な社会である。
そのような風潮があるため、クラスの仲間は自分の学びを深めていくために大切な存在であることを子どもたちに気付かせ、聴き合い学び合える集団に育てていくことが大切である。
子どもとともにつくる授業は、学びの連続性をもたせるため、子どもたちをよく見つめなければならない。
子どもたちは何を考え、どんな思いをもっているのかといった子ども解釈力や、子どもにゆさぶりをかけたり、子どもの発言や思いをつないだり、授業の進行を子どもたちに委ねたりする授業の構成力が教師に求められる。
そのためのツールとして、東京学芸大学附属小学校では「座席表型指導案」を作成している。その座席表に書き込む内容は、
・学びの姿(前時までの姿・教師が期待する姿・予想される姿)
・授業の中での対立・葛藤する場面、合意形成の過程を予想する
・子どもたちが持っている意見の相互関係を矢印で示す
・どのような子どもを指名するか(例として挙手しない子ども)
・どのようなときに子どもに委ねて待つか
(東京学芸大学附属小学校)
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