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子どもの脳を成長させるには、どのようにすればよいか

 脳を鍛える基本は「ワーキングメモリー(脳へのメモ)を使う」ことです。そのためには子どものワーキングメモリーを鍛えることだ。
 たとえば、「28+36」の繰り上がりのある計算は、一桁目の8+6=14の繰り上がりされた数字1を脳にメモ(ワーキングメモリーを使う)して二桁目の2+3+1=6を計算して、64となります。
 この計算は教師が教えたからできるのではなく、子どものワーキングメモリーが発達したからできるのです。
 このような計算は反復練習をしないとワーキングメモリーは伸びません。
 国語でも同じことが言えます。
 読みの授業では、少なくともその前に書いてあったことが脳にメモ(ワーキングメモリー)されていないと、文章を深く読み取れるはずはありません。
「これ、それ」が何を指しているのかという問題も脳にメモされていないと答えることができません。
 漢字を書けるようにするのもワーキングメモリーのトレーニングです。
 子どもたちが学習しているときには、さかんに脳のメモを使っています。
 そのメモ帳をある程度のあいだ頭の中に置けるようにしておくことが大切です。
 躾けができるかどうかも関係してきます。
 また、ワーキングメモリーが弱いと、人とコミュニケーションしているときに、
「この人、今どう思っているのだろう」
 といった人の気持ちを考えにくくなります。
 わがままで自己中心的になってしまうおそれがあります。
 脳のトレーニングは、できないことができるようになることです。
 できるようになると、脳を育てる物質の分泌が増加します。
 できるようになったら次に進むという学校のシステムはよくできていると思います。
 脳を育てるための学習以外の習慣は、まず運動することです。
 手を使った作業も前頭葉を活性化します。
 人と関わることも脳を鍛えることにつながります。
 笑いも前頭葉を活性化します。
 バランスのよい食事も脳にとって大切です。
 脳の半分は脂肪なので肉・魚の脂肪は重要です。
 同時に緑黄色野菜を食べて酸化を防ぐようにします。
 ぶどう糖(炭水化物)は脳の唯一のエネルギー源で、蓄えはできません。だから朝昼晩と規則正しく食べる必要があります。
 タンパク質は神経細胞の材料になります。
(篠原菊紀:1960年長野県生まれ、脳科学者。公立諏訪東京理科大学教授。専門は脳神経科学、応用健康科学。「学習しているとき」「運動しているとき」「遊んでいるとき」など日常的な場面での脳活動を調べている)

 

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