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理科教育で大切なことは何か

 理科教育は、自然界のなかにある真理を一つひとつ発見し、自然についての理解の様式や、そのよって立つ根拠や、それに基づく理解と解釈の方法を教え込むことにあります。
 それとともに、その規範を疑い、それとは異なった規範・価値観・理解や解釈があり得ることを子どもたちに悟ってもらう側面もあるはずです。
 科学の知識が核兵器の開発などに利用され、DNAの研究が社会的に問題となる可能性が生まれています。
 そうした状況のなかでは、理科教育が理科の自然の真理を善として教えるだけでなく、科学と社会との関係を十分に考慮に入れるだけの知識と感性を身につけることが、非常に大切になってきています。
(村上陽一郎1936年生まれ、科学史家・科学哲学者、東京大学・国際基督教大学名誉教授、豊田工業大学次世代文明センター長)

 

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