教育は出来事を踏まえ、何度でも出直すもの
教育を研究するといえば、何を教えるか、どう教えるかが柱になってきた。
しかし、子どもが、どうとらえているか、どう生きようとしているかの視点は心理学におまかせで、配慮の外に置かれてきた。
学びながら教え、教えながら学ぶという人間のいとなみをうかびあがらせることが教育ということである。
教師と子どもがたがいに学び、教え合う。
そこで多様な出来事が生まれ、予想もしていなかった発見や事態に陥る。
教育はキレイごとではなく、汗と涙と手あかのどろどろしたものにまみれる。
教育は、
「うーん、なるほど、これは私の思い通りではなかった、これで一つ教えられた」
といって、何度でも出直すものである。
(佐伯 胖 1939年岐阜県生まれ、認知心理学者、東京大学・青山学院大学名誉教授。認知心理学の知見に基づく「学び」の過程の分析は画期的)
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