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教師はチームとしての取り組みのなかでこそ育つ

 チームのなかで教師は育つと宮田雅己はつぎのように述べている。
 教師になって二校目は指導困難校だった。
 自分の生活常識を越えた子どもたちの行動に出会った。
 次々に起きる問題行動に加え、学校の対応に理解のない保護者に驚いた。
 問題行動が起きると、指導のための会議を開く。
 特別指導で管理職、生活指導や学年の教師たちが相談しながら、かわるがわる生徒とかかわり、家庭訪問もする。
 問題行動を機会に教師集団が生徒に徹底的にかかわると、知らずと生徒は教師集団を信用し大人を信用するようになる。
 教師も生徒と向き合うたびに、さまざまな生徒の感じ方・悩み方・かわり方などを教師自身の心の回路を通すことで追体験し、その教師の複眼をつくりだすのだ。
 このなかで、教師たちは社会の問題に気づかされ、心理学、医学的な知見にも触れる。
 生徒の問題行動を一件、一件、解決していくなかで、教師が集団的に達成感を味わい、ポジション取りや連携プレーもスムーズになり、教師のチーム性が高まり同僚性が高まった。
 この学校で私は、人間の強さと弱さ、教師の連帯・支え合い、一人では生きられないさがを学んだ。自分がやっと真人間になれた気がした。
 このような経験から、教師集団のチームとしての取り組みのなかでこそ教師は育つということを学んだ。
(宮田雅己:神奈川県公立高校教師)

 

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