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新任教師や若い教師に知っておいてもらいたいこと

 新任教師は、教室の中ではもっとも年上で、目の前にいる子どもたちは、全員、自分よりも物を知らないと感じてしまう。
 つまり学校というところは、新任教師でも王様になれてしまう職場である。
 そのため、何の実績もない若い教師でも、自分が一人前の社会人だと錯覚しやすい。これから頑張って成長しなければという謙虚さを失いがちな世界です。
 新任教師は教える側として経験する教室の風景に戸惑います。
 さまざまな学びの要求が渦巻く教室で、すべての学び手に配慮し、各々の学びを高めていくということは、決してたやすいことではありません。
 若い教師の多くは実際に一生懸命に働くが、不幸なことに、一生懸命に働いたからといって、必ずしも有能な教師になるとは限らない。
 ざっくばらんな言い方をするなら、よい教師になるためには、かなり賢くなければならない。
 小学校のレベルでは、よい教師は文学や算数を知っているだけでなく、基礎科学、歴史、芸術にも精通し、さらにソーシャルワーカー(注)や心理学者にもなれる準備をしていなければならない。しかし、若い教師の多くは、そのようなレベルに達していない。
 初めて働く新任教師にとって、同僚や管理職をもつという経験はこれまでになかったことです。
 うまくやっていくためには、同僚の教師や管理職と適切な関係を築くすべが必要となります。
 職場での人と人とのつながりを大切にしてほしいのです。
 あいさつをして、同僚教師や管理職と話し合えるようになること。
 ちょっとした手伝いは快くやってあげることなど、ちっとも損にはならないことです。
 失敗がある程度許される若いうちは、何でも引き受けてやってみることも大切です。
 担当者があいまいな仕事がまわってきても、たくさんの仕事にかかわるおかげで、しだいに自分にできることと、できないことの区別が分かります。
 自分が自信を持ってできることが分かってくると、反対にできないことは迷惑をかけることもあり、いさぎよく断ることができるようになります。
 そのかわり、自分にできることにできる限りの時間と手間をかけ、最高に質のよい仕事をするようにするとよいでしょう。
 人ととけ合う能力を培っていくことが、やがて職場全体のまとまりを築き上げていく力量の土台ともなっていきます。
 学校を組織として見ることが重要になってきます。
 上から決めつけられることが嫌いな人や、民主的な決定過程を忍耐強く持つことができない人は、問題を抱かえることになります。
 管理職は、教師がよい学校をつくるための条件と環境を整備してくれています。
 教師は、管理職が物事を決めるという事態を容認しなければなりませんし、管理職はいつも誰からも好かれるわけではないという事態に耐えなければならないのです。
 学校での仕事がはじまったら、あなたは教育の議論と、日常の問題との間を行き来しなければならないと感じるでしょう。これは当然のことです。
 学校の日常は、実際、葛藤がおきます。管理職はあなたを助ける役割を担っているのです。
 管理職に質問することをおそれないでください。新任教師から、よい質問やするどい質問が出るのはうれしいものです。
 あなたのもっているかぎりの知識と熱意を示しましょう。管理職の仕事というのは、あなたのために仕事の環境と条件整備をすることなのですから。
 学校というところは、新しい考え方や創造力、そしてアイデアを歓迎するところであると同時に、伝統やルールに対して敬意を表すことも要求されるところです。
 あなたは、新しい考え方と伝統の狭間でバランスを見つけていかなければなりません。
 しかも、その葛藤のなかでやる気や喜びを失ってはなりません。忍耐力と勇気が必要となります。
 教師という職業はエキサイティングで挑戦しがいのある職業です。
 よいサポートがあればたくさんのことができます。そして、成功するために一番大切なのは、十分な訓練と心の準備です。
 これからの人生には二つの状況があると考えてください。
 一つは、あなたから力を吸い取っていく事態、そしてもう一つは、あなたにエネギーを与えてくれるという事態です。
 あなたが向かい風のなかにいるときは、楽しくない人や足を引っ張る人といっしょにいるのではなく、あなたが前に進んでいけるようサポートしてくれる人を見つけましょう。
 幸いにも、教師という仕事はさまざまなことを自分で決められます。あなたに、仕事への意欲と喜びを生み出してくれるような教材や活動を見つけてください。
(注)ソーシャルワーカー:社会の中で生活する上で実際に困っている人々や生活に不安を抱えている人々、社会的に疎外されている人々と関係を構築して様々な課題にともに取り組む援助を提供する対人援助専門職)

 

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