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国語科:読みの力をつける教材研究はどのようにすればよいか    渡邉 徹

 読みの力をつける教材研究について渡邉 徹はつぎのように述べている。
 教材をどう読むか。
 ここに、子ども一人ひとりに読みの力をつけるか否かのポイントがある。
 教材に書かれている事実から、いかに書いていない書き手の思いにせまっていくことができるか。
 言葉に内包されているものをいかに読み取っていくかの力量が求められるのである。
 その方法として、教材文を書き写して言葉一語一語に寄り添ってみることである。
 そうして、自分なりに思いついたこと、感じたこと、調べてみたことなどを書き込んでみる。
 関係がありそうな言葉と言葉を線で結んでみる。
 すると、思わぬことを発見する。
 主人公の行動を追っていくと、心の屈折が見えてくることもある。
 はじめは、指導書を参考にすることもよい。
 少しずつ、書き手の息遣いが聞こえてくるだろう。
 書き手は、この言葉にこんな思いを託しているに違いないと推察できてくる。
 また、書き写さないまでも、コピーしてそれに書き込んで考えてみるとおもしろい。
 この繰り返しで、教師に教材研究の力がついてくるのである。
 こうして、分析したのちに、どの言葉を通して、どんな力を一人ひとりの子どもにつけてやるのかを明確にしていくことがどうしても必要なことである。
 読みの力をつけるには、より精密な教材研究が欠かせない。
 同じ作者の作品を読むこともいい。
 パソコンから資料を引き出すこともいい。
 それよりも教材文に寄り添って読む、書くことを勧めたい。
 すると、そこにその言葉がおかれている意味がわかってくる。
 書いてあるものから、書いてないものが見えてくるのである。
(渡邉 徹:静岡市立小学校長、幼稚園長を歴任。「日本国語教師の会」に所属)

 

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