聞き上手な親になるにはどうすればよいか 福田 健
聞き上手な親になるにはどうすればよいか福田 健はつぎのように述べています。
話しを聞くという活動は相手への働きかけである。
親が待っているだけでは子どもからの発信は期待できない。
ものが言いやすい雰囲気づくりをしないと待っていてもだめである。
聞いているということを話し手に伝えるのが、聞き手の役目なのだ。
いい方を換えれば「聞くのも表現」なのである。
「聞く」ことを表現ととらえると、ポイントが三つある。
(1)目を見て聞く
子どもが話しかけてきたときは、目で受け止める。
(2)明るい表情で聞く
笑顔は歓迎の合図である。
(3)相づちを打つ
子どもに対して大人はどうしても、先入観や思い入れを持って話を聞いてしまう。
話を聞いて先入観を改められる人は一流の聞き手なのです。
そこで、相手の表情、動作などをよく見ながら、子どものいまの気持ちを聞いて理解をするようにする。
子どもは自分を理解してくれたと思うとき、心が動くのである。
無口な子どもも「言いたいこと」「聞いてほしいこと」はあるはずである。
それを察知するには、無口な子どもに強い関心を持ち、表情などにいつもと違う変化がないか注意する。
声をかけた際、気持ちの変化があらわれることがあるので反応を見逃さないことである。
いそがしいときでも、できるかぎり話はさえぎらないで、最後まで聞くようにする。
最後まで聞いてもらえないと、子どもは欲求不満になり、相手に不信感をいだくことになる。
子どもが親に言われてうれしかったひとことは、
「いつも、最後まであなたの味方だから」
「信じているからね」
というアンケート結果がある。
子どもにしてみれば、親が子どもを「信じている」のはわかっていても、ことばに出して言われるとうれしいものなのだ。
(福田 健:大和運輸入社、言論科学振興協会の話し方運動に参加し理事を経て、話し方研究所を設立し会長。話し方、聞き方の指導・研究・啓蒙にあたり、コミュニケーション・リーダーシップ、人間関係などをテーマに各企業・官公庁で講演・講座活動を行っている)