学校の職場や同僚、子どもたちとの関わり方に悩む教師はどうすればよいか 土井一博
学校の職場や同僚、子どもたちとの関わり方に悩む教師はどうすればよいか土井一博はつぎのように述べています。
学校の同僚や子どもたちとの関係づくりがじょうずな教師を観察すると、授業中や休み時間に、意識して自分からアクションを起こし、周囲の人間と積極的に関わろうとしています。
その関わり方は、
1 印象
例「顔色が悪いけど、具合がよくないのか」
2 伝聞
例「先生の授業のことを誉めてたよ」
3 依頼
例「悪いけど私の手伝いをしてくれないか?」
4 賞賛
例「最近、漢字学習、頑張っているなぁ」
などです。
このように日頃から話しかけていると、いざというときに、自分の思いが伝わるようになるからです。
実は人とかかわる力というのは、相手のことを思いやる、共感する力のことです。
自分に共感してもらうところから始まるのです。
相手にものごとを依頼するとき、留意することがあります。
1 思い込みと願望を混同しない
相手に対して「やるのが当然だ」ではなく「やってくれればいいなあ」というレベルで接触するようにします。
もし、相手とうまく関われなかった場合でも「しょうがない」と思うことができ、病的なレベルまで落ち込むことはありません。
2 お互いに利益を受け取れる関係(ウインウインの関係)をつくっておく
ふだんから同僚や職場に貢献するようにして、
「自分も誰かの役に立っている」
「職場に貢献している」
という実感があると、気がねなく周りの同僚にも依頼することができます。
その実感がないと、相手に負担をかけたくないと気にしすぎて、自分が困ったときに助けてほしいと言いだせないのです。
(土井一博:公立中学校教師を経て退職後、筑波大学大学院で健康教育学を学び、関東各地でスクールカウンセラーやアドバイザーを歴任し、順天堂大学客員教授。専門は教職員のメンタルヘルス予防、現職教育、教師教育)
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