学級づくりの基本は「ルールが守られ、あたたかい触れ合いのある学級」、どうすればよいか
学級づくりの基本原理は「ルールとふれあい」の二つです。
ルールが守られていて落ち着きがある上に、あたたかい触れ合いがあり、子どもたち一人ひとりが力を発揮できる学級です。
これだけは守ってほしい学級の基本的なルールは、次のようなルールです。
1 人を傷つけることを言わない、しない
このルールが守られているだけでも、だいぶ落ち着きのある学級ができるはずです。
「きもい、うざい、死ね、殺す」などの暴力的な言葉を放置していると、どんどん増殖していきます。
もし、こうした言動があれば即座にその場で介入すべきです。
「その言葉を使うべきでない」と、その都度、いちいちこまめに指導していくべきです。
2 人が話している間は、その人の話を最後まで聞く
荒れていく学級では、誰かが自分の考えを話している最中にそれにかぶせるように話し始める子どもたちが少なくありません。
そうなる子どもたちの間に「私の話はちゃんと聞いてもらえない」という不満がくすぶります。
いつも誰かが私語をしているという状況が当たり前になってしまうと危険です。
いつもザワザワと騒然としたクラスになっていきかねません。
この2つの要素「ルールとふれあい」があって、初めていい学級であるといいえるのです。
どの子どもも安心でき、なおかつ、一人ひとりの子どもが能力を伸ばしていくことができるのはたいへんなことです。
子どもを厳しく管理しようとする指導では、学級の秩序は保たれるかもしれませんが、
「自分は抑えられている」「気持ちを認めてもらえない」という不満が募りがちになります。
逆に、和気あいあいとしているけれど、なれあっている学級では、子どもたちにビシッとルールを守らせることができなかったりします。
教師に求められるのは、瞬時に相手と心と心のふれあいをつくっていくことができる「関係づくり」の能力が最も大切な基本スキルです。
一人ひとりの子どもが「先生は私のことをわかってくれている」と感じているからこそ、教師からの期待に応えようとするのです。
(諸富祥彦:1963年福岡県生まれ、 明治大学文学部教授。「現場教師の作戦参謀」として、抽象的ではない実際に役立つアドバイスを先生方に与えている。「教師を支える会」代表)
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