理科好きな子どもを育てる授業とは 山口晃弘
理科好きな子どもを育てる授業について山口晃弘はつぎのように述べている。
中学校1年の生徒に理科の授業に望んでいることを書いてもらうと
(1) 観察や実験をもっとやりたい
(2) 実験が終わるまで時間をとってほしい
(3) 実験には器具をたくさん用意して、一人ひとりが自由にできるようにしてほしい
(4) 先生の説明だけの授業は少なくしてほしい
(5) 驚くような実験が見たい
(6) 意味がわかるように解説してほしい
ということであった。
これらのことから、生徒が望む授業は、講義は少なくして、実験器具が十分にある状態で実験の機会を多くして、教師がわかりやすい説明をしてくれることである。
理科の授業は、生徒が自然の事物・現象について理解を深め、科学的な見方や考え方が獲得できて、生徒はわかったとなる。
わかる授業を展開するには、生徒に観察や実験などの活動をさせることである。
そして、生徒のその活動を認め、ほめることである。
日々の授業で、小さなことがらを「できましたね」「よく気づきました」「わかりましたね」と、一つひとつの活動を認め、ほめていく。
活動させてできたことを認め、ほめる授業にするようにする。
日常の授業で生徒が興味・関心をなくさないよう、1時間の授業のねらいを明確にする。
1時間の授業で生徒にどんな活動をさせたいかという視点で教える内容を考える。
(1)導入で行わせる活動は何か。
(2)展開の実験は個別かグループか。
(3)まとめはどのような結果を考察させるのか。
(4)ノートやワークシートに記入させるのはどのような内容か。
(5)発表はどのような形態で行うのか
など、すべて生徒の活動をイメージする。
グループは男女2人ずつの班にすると落ち着いた雰囲気になる。3~4人にすると話し合いが進みやすいという利点がある。
理科室では、体ごと教師の方を向いて座らせる。
教師の話を聞くときは手に何も持たせない。
観察・実験は役割分担させ、人まかせにさせない。
終了すれば教師を呼ばせ、結果を確認し、その後の授業で何をすべきか指示をする。
(山口晃弘:1961年福岡県生まれ、東京都内の公立学校理科教師、都立教育研究所教員研究生、中央教育審議会理科専門部会の専門委員、東京都中学校理科教育研究会事務局長等を経て東京都公立品川区立学校校長)
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