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学校でソーシャルスキル教育を行い、子どもの社会性向上を   藤枝静暁

 学校でソーシャルスキル教育を行い、子どもの社会性向上をと藤枝静暁はつぎのように述べています。
 多くの先生が子どもの社会性が低下していることを指摘し、危惧している。
 たとえば、遊びに入れてもらいたいが、入れてと言えない子ども。
 けんかしても、仲直りができない子ども。
 こうした子どもは小学校では見られなかったという。
 幼児期において必要な基本的生活技能を獲得していないために児童期、思春期において不適応を起こしやすいのである。
 私は大学でソーシャルスキル教育と出会った。
 ソーシャルスキルには「あいさつの仕方」「相手を思いやる」「謝り方」「仲間の誘い方」などが紹介されていた。
 たとえば「あいさつ」はソーシャルスキルでは、
 「相手を見て、様子を把握する」
 「相手に聞こえるような声を出す」
 「笑顔で話しかける」
 から構成されていると考える。
 わが国はこれまでソーシャルスキル教育は、学校でわざわざ教えるようなものではないとして取りあげてこなかった。
 ソーシャルスキル教育の素晴らしい点は、たとえば「思いやりのある子ども」を言葉で教えるだけでなく、教師がモデルとしてやってみせ、その後リハーサルとして子ども同士にやらせるところにある。
 教師は子どもがリハーサルしている様子を見て、どこがよかったか、どこを直したらより良くなるのかを具体的に指導する。
 ここまで具体的かつ実践的に教えてこそ「思いやりのある子ども」として成長できるといえる。
 ソーシャルスキル教育は欧米では、クラス、学校全体で実施している。
 わが国は、障害のある幼児に対して個別にソーシャルスキルを教えることは行われているものの、学校教育への普及はほとんど進んでいない状況である。
(藤枝静暁:1972年生まれ、東京都スクールカウンセラーなどを経て、川口短期大学こども学科准教授を経て埼玉学園大学教授。臨床心理士、学校心理士)

 

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